「なるほど」と思ったところを交流することで深める説明文の学習
蜂 屋 正 雄

 6年生の説明文「笑うから楽しい」「時計の時間と心の時間」(光村図書)に取り組んだ。どちらの教材文も題名から目を引き、「はじめ、中、おわり」の構成が明瞭、かつ、「はじめ」に話題提供、「おわり」に筆者の主張が述べられている。

 筆者の主張が「はじめ」と「おわり」に書かれていることは知識として教え、「中」の事例から筆者の意図と自分の思いを発表。「はじめ」と「おわり」に書かれていることだけでも、著者の主張は「わかる」が「中」に書かれている事例を読みとることによって「なるほど」と納得できるのではないかと語りかけ学習を進めた。

 子供たちは意見交流となると様子を見ることが多いが、自分の考えはノートには書ける。そこで、「中」で著者が示す事例で「なるほど」と思ったところを交流することを学習活動の中心にすえようと考えた。そこで、4人で1人1分ずつ話すよう提案した。それまで様子を見ていた子もそれぞれ「なるほど」と思うところを話しはじめた。次に、それぞれの見つけたことを伝えるだけでなく、似たところや比べられるところがあれば、前の発表者に続けて話すように指示したところ、4分間の後半になるほど内容が深まっていくようになった。話し合いの後半では『「社会を成り立たせているのが「時計の時間」なのです。というところになるほどと思いました。みんなの「心の時間」の進み方がいろんな原因で違っているので、時計の時間がないとバラバラになってしまうと思ったからです。』という発表に付け足しの意見も出て、事例の有効性を共有することができた。

 1人1分という形式は話しやすかったようで、学習感想にも「自分の意見も言えて、友達の意見も聞けるのでよかった。」「1分間で終わるので良かった。」と、交流の手段としては適したもののようであった。また、話すことが苦手な子の番では、まわりの子が「あ、おんなじ」「ぼくも好きなことしてる時はすごい早く感じる。」など、言い淀んでいる間を埋めるように場をつなぐような話をする姿も見られた。

 1分間発表と名付けたこの交流の方法は、この次の単元の「学級討論会をしよう」という、グループの意見交流や道徳科など他の学習の場面でも有効に機能している。理想としては、1人の時間を決めることなく同じように全員が話すことであるが、身につけた学習方法として活用し、話し合いを活性化させていきたい。
(草津市立矢倉小)