学級会による自治能力の向上
川 端 由 紀

 今年度は、教務を任命され、年度当初は戸惑う日々でありました。その中で、仲間作り部会(特活)の長も同時に任命され、特活というものを見直してみました。今、日本は、成長社会から成熟社会に移行したと言われています。私自身、十数年にわたる民間企業勤務の経験から、その通りになってきているなと実感しております。社会の構造の変化、派遣社員や働き方改革と言った働き方の変化も、ここ数年で顕著になってきました。そんな社会変化を目の前にして、今後必要になってくるのは、個としてのあり様や成長だと思います。個として自立し、依存的ではなく、主体的に生きていくということが大切な時代になってきたのだと思います。

 そこで私は、開かれた人間を作っていくことが大切だと思いました。開かれた人間とは、ひたむきに、自分も成長しながら、他者の存在を受け入れることにより、自分の力へと他者の存在をより戻す。そして、自分もふくらみ、成長する姿です。また、問題があっても、問題と感じない無気力な人間ではなく、問題を解決したいと思う人間を育てたいと思いました。たとえ小さな問題でも自分たちの問題を自分たちで見つけ、自分たちで解決することができるという実感を味わわせたいと思いました。

 そのためには、特活として、主に学級活動、児童会活動がありますが、生活作りのための学級活動、特に「学級会」に学校をあげて力を入れていこうと考えました。@学級集団への愛着がわく、A集団生活の問題に気付く目を育てる、B自分たちで解決可能であるという自信と問題解決までの見通しをもつ、の3つの項目が、学級会を行うことによって得られる力だと思います。また、学級会によって、話し合いの技術はもとより、相手の意見を尊重する態度をしっかりと身に付けさせたいです。相手の意見を尊重し、少数意見にも配慮しつつ、話合いで折り合いを付けていくことができるようにすることも学級会の積み重ねによって得られる力であると思うからです。そして、月1回以上の実践と振り返りにより、学級会の定着を図っていきたいと思います。

 学級会に力を入れ、継続的に行うことで、社会性や自治的な能力を身に付け、子どもたちを開か た人間へと導いていきたいです。(参考文献「特別活動の教育技術」杉田洋)
(大津市立石山小)