▼『深い学びを育てる教室のルール&学校のしつけ』(吉永幸司著・安田小学校編・小学館)でお世話になった新田哲之先生の通信を拝見した。4月23日の記事に1年生の姿を紹介されていた。

▼「初めのうちはぎこちなかった朝のあいさつですが、数日もたてば、もう立派なあいさつができています。背筋を伸ばし、おはようございますと声にして、それから、おじぎをしてくれます。」

▼普通に読めば、入学して2週間目の子ども姿です。しかし、目を凝らし注意をして読むと次のような姿が見えてきます。「背筋を伸ばし」からは、校長先生に出会って立ち止まっている姿。次に「おはようございますと声にして」からは、口のなかでもぐもぐ言っているのでなく、先生の指導を受け教室で覚えたばかりのはきはきとした声。そして「それから、おれいをします」の「それから」です。普通に、「おはようございます」ということではありません。あらたまった場で気持ちを落ち着かせ、丁寧に相手に伝える「それから」です。

▼この文章の背景には、1年生の先生がしっかりと教室で指導されていることが印象的でした。2週間もたつと、挨拶ができない、忘れることを普通になる頃、「それから」心を込めて挨拶をする落ち着いた学校の雰囲気が伝わってきました。(吉永幸司)