多数決で決める
北 島 雅 晴

 学年末が近づくと、学習内容は兎も角、学習方法については、ある程度子どもたちが決めてもよい場合がある。そんな時、多数決という少々乱暴な形をとることがある。
 説明文「ウナギのなぞを追って」(光村4年下)の学習でのこと。すらすらと音読ができるようにするというめあてのもと、2時間の学習を行った時に1つ目の多数決を行った。(「すらすらと」というのは、1段落中1回程度の読み間違いで終えるくらいの精度のこと。以下、Tは教師、Cは子どもの発言を表す。)

T これからの学習の進め方ですが、AとBのどちらがよいか考えてみましょう。
 A:段落の要点をまとめる。
 B:興味をもったところをみつける。(単元のねらいにいきなり入ること。)
C まだ音読をしただけで、内容がはっきりと分かっていないので書きにくいから、Aがいいと思 います。
C 音読だけではあまり内容が分かっていないので、要点の中から見つけた方がよいので、Aを選 びました。
C Aの方が、しっかりとできそうな気がします。
C 私はBで、音読をしているうちに大体の流れが分かったので、興味をもったところもすぐに見 つけられます。
C ぼくもBで、音読をしているうちに興味をもったことをたくさん見つけられたので簡単にでき ると思います。
C 私もBがいいと思います。要点の学習は「アップとルーズ」の時にやっているので、今度はいきなりできるのではないかと思います。

 このように、選んだ理由を話し合った後、多数決に入る。今回は、Aが18名、Bが11名となり、 要点をまとめる学習をした後で興味のあるところを見つけるという学習の流れとなった。AかBのどちらかを選択して学習するというやり方もあるのだが、本学級ではこのような多様化に対応できるほど、子どもが(教師の指導力も)育っていない。

 2回目の多数決は、興味をもったところをメモした後で行った。
 A:紹介文を書くための準備をする。(文章の構成を考える等)
 B:いきなり、紹介文を書く。
 結果は、Aが21名、Bが7名で、どちらの多数決においても、やや慎重に学習を進めたいという思いが伝わってくる。学習方法を意識して学習を進めるというのは、「主体的」の一つの要素であると考えている。
(草津市立志津小)