声に出して読んだ感想
弓 削 裕 之

 『くじらぐも』(光村一下)の1時間目。「まずは先生が読むので、お話を聞いてください。」と教師が全文を読み、子どもたちはノートに感想を書いた。その後、「次は、自分で声に出して読んでみましょう。」と子どもたちが音読し、声に出して読んだ感想も書いた。(○=お話を聞いた感想、●=声に出して読んだ感想)

<A児>
○わたしもジャンプをして、くじらぐものうえにのって、まちをたんけんをしてまちをかんさつしたいです。それで、くじらぐもとともだちになりたいです。せんせいがふえをふいて、とまれあいずをして、くじらぐももとまってとてもかわいかったです。
●さいしょはじょうずによめるかなとおもっていたけど、すこしむずかしかったけど、じょうずに、いえました。とてもたのしいおはなしなのでなんかいもよみたいです。またこくごのじかんにこのくじらぐもというおはなしをよみたいです。まいにちよんで、もっともっとじょうずに、なりたいです。またおかあさんによんであげて、くじらぐもってとてもかわいいんだよとたくさんおはなしをしてあげたいです。

<B児>
○くじらぐもがうごいて、まいごになるとおもったら、ならなかったからたのしそうです。いっしょにくじらぐももがっこうにいたらいいとおもいました。たいいくのじかんにほんとにでてほしいです。一ねん二くみは、わたしのクラスと、いっしょなので、一ねん一くみは、一ねん一くみとかいてあるとおもいました。くじらぐもはまねっこがすきだとおもいました。おうえんしてくれてうれしかったとおもいます。くじらぐもはやさしいとおもいました。みんなかぜできもちがよさそうです。おわかれはいやだとおもいました。みんなのこえがくじらぐもにとどいてよかったですね。くじらぐもはふわふわできもちよさそうです。
●たった2ページでつかれたのでせんせいがたいへんだとおもいました。すこしきもちよくなりました。じぶんがくじらぐもになったきぶんになりました。じぶんがこどもだとおもえばもっときもちよくなりそうです。じぶんがかきもとこうぞうさんや、なかがわりえこさんだったらつかれそうなのでかきもとこうぞうさんとなかがわりえこさんにかんしゃします。

<C児>
○くじらぐもがそらのうえで、およぎながら「おうい。」とよんでいたら一ねん二くみのこどもたちはおどろきながらこえをあげておおよろこびしていたでしょうね。
●だれかによんでもらうのもおもしろいけど、じぶんでよんだほうがわくわくしておもしろくてたのしいからだれかによんでもらうより、じぶんでよむほうがいいとおもいました。だからこんどからはじぶんでよもうとおもいました。

 他にも様々な気づきがあったが、特に、自分で声に出して読むと「登場人物の気持ちになった」「自分も空にいるようだった」という感想が多かった。十人十色の子どもたちと一緒に、「声に出すっていいな」「もっと声に出したいな」と思える授業をつくっていきたい。
(京都女子大附属小)