「人がら」って?
北 島 雅 晴
「今日の学習は、人がらをみんなで30個見つけることから始めます。」 子どもたちは「人がら」をどのようにとらえているのか、30個も見つかるのだろうか、と期待しながら学習を始めた。 ○おもしろい ○負けずぎらい ○よくばり ○おくびょう ○泣き虫 ○やんちゃ ○いじわる ○人見知り ○うるさい ○おこりっぽい ○うっかり ○きちょうめん ○天ねん ○活発 ○ねばり強い ○まじめ など、実に30名で32個の人がらを見つけることができた。一人ひとりが発表するたびに、 「それ、ぼくのことや。」 と言いながら発言がつづいた。 「32個も見つかるとは思いませんでした。この中から、自分自身に当てはまる人がらを3つ選んでみよう。」 と働きかけた。やはり遠慮があるのか、一般的によい人がらと思われるものを選ぶ子は少ない。「こわがり」「負けずぎらい」「天ねん」いった具合である。 「Aさんは、何を3つ選んだのか当ててみよう。」 「Bさんの人がらを3つ選ぶとすると、どれにしますか。」 と、クイズ感覚でしばらく楽しんだ。 なぜ「人がら集め」の学習をしたかというと、次のような理由があった。現在「白いぼうし」(4年生)を通して、登場人物の人がらを考える学習を行っている。子どもたちのノートを見ていると、 「松井さんは、やさしい。」 というとらえた方で落ち着いてしまっている。一人の人物を一つの人がらだけでとらえるのは、あまりにも考えが深まらない。そう考えて、学習の流れを変えて「人がら集め」を行ってみた。 その後もう一度、松井さんの人がらをとらえ直してみた。すると、例えば、蝶の代わりに夏みかんを置いた場面についても、 ○人を喜ばせようとしている。 ○人をちょっとびっくりさせるのが好き。 ○楽しいことを考える、おもしろい人。 といったように、多面的なとらえ方ができるようになった。 もちろん、「やさしさ見つけ」のような学習を通して、「やさしさにもさまざまな表し方がある」ということに気付くような展開もあるだろう。本学習では、登場人物の人がらを幅広い視点からとらえてみることを大切にした。みんなで見つけた32の人がらは、学級の財産となるだろう。 (草津市立志津小)
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