特色をとらえながら読み、物語をめぐって話し合おう
北 川 雅 士

 国語科の学習で「わらぐつの中の神様」(光村図書5年「銀河」)に取り組んだ。本教材は、「現在ー過去ー現在」という構造で書かれた作品であり、時間の行き来に伴う大きな場面の転換がある。これまでに児童が学習してきた物語教材にはない面白さがたくさん散りばめられている。また登場人物の関係が現在と過去とで重なることで驚きも生まれる。「わらぐつの中の神様」の表現や物語の構成などの特色を捉え、自分の5年生の読書経験の中からお気に入りの1冊をビブリオバトルで交流する学習計画をたてた。「わらぐつの中の神様」の特色を捉える中で学んだことをビブリオバトルを通して自分の紹介する本においても活用し、自分の好きな本の特色を捉え、学級の友達に紹介できるように学習を進めていきたいと考えた。

 学習は以下のように進めた。
(1) 学習課題を確認し、「特色」とは何かを考える。
 ビブリオバトルについて教師のモデルを見て学ぶ。(「大造じいさんとガン」を例に特色を中心に伝えビブリオバトルのモデルを示す。)
(2) 初発の感想を交流し、学習計画を立てる。
(3) 〜 (5) 初発の感想をもとに、「わらぐつの中の神様」の特色について「登場人物」「構成」「文章表現」を中心に観点に沿って読み深める。
(6) 「わらぐつの中の神様」の特色についてまとめ、グループで交流する。
(7) 自分のお気に入りの一冊についてビブリオバトルで話す内容を考え、練習する。
(8) ビブリオバトルで交流する。

 5年生の学習の締めくくりとして、「なまえつけてよ」「大造じいさんとガン」での学習内容を振り返りながら取り組んだ。人物相関図を使って人物相互の関係を読み取ったり、文章表現に着目して読み取りを行うなど、「学びのつながり」を意識して単元の指導計画を考えた。また、初発の感想の交流で児童たちが出した疑問点や、深く知りたいと思うポイントを学習課題にし、学習計画を作るという流れも年間を通して取り組んできたこともあり、少しずつではあるが意識できるようになってきたように思う。

 今回の学習では、なんとなく感じていた物語の特色を、観点ごとに読み取ることでより具体化していくことができたように思う。また、ビブリオバトルを行う際にも自分の好きな本が他より優れている理由を改めて考え、話すことができた。5年生の学習も残りわずかとなり、学年のまとめに差し掛かっている。5年生までの学びが6年生、さらにその先へとつながっていくように、しっかりと締めくくりを行いたいと思う。
(彦根市立城南小)