日常の「話す」を見直す 〜説明・報告〜
北 島 雅 晴
《説明する》 「3週間ほど、石鹸のチェックができていないので声をかけていただけますか。」 保健委員会担当の先生から指摘された。保健委員会では常時活動として、手洗い場の石鹸があるかどうかをチェックし、必要に応じて補充する仕事をしている。本学級の子がしばらくの間、その仕事をしていないという指摘である。 さっそく保健委員会の子を呼んで、話を聞くこととした。すると 「仕事を忘れていました。」 それ以上説明することができない。そこで終わらせることも多いのだが、適切に説明することも大切だと考え、次のようなメモを渡して、再度説明するように促した。 ○どんな仕事をしているのか ○現在どういう状況なのか ○そうなった原因は何か ○これからどうすればよいか 「私は、本館1階の手洗い場の石鹸がなくなっていないかを調べる担当をしています。3週間前にチェックした時はきちんと石鹸があって、それから調べるのを忘れていました。休み時間は遊んでいて仕事をできませんでした。もしも石鹸がなくなっていたら手を洗う人が困るので、これからきちんと仕事をします。」 という説明ができた。きちんと話すことで仕事をすることへの自覚が出てくるという効果もあるだろう。今の話を委員会担当の先生にも説明するように指示した。 《報告する》 登校等に課題がある分団については、臨時の分団会が開かれることがある。その時は、分団会の内容を報告させるようにしている。 「登校の途中で、1年生を泣かした上級生がいたので、そのことについて話がありました。1年生がきちんと並ばなくて、注意しても聞かないので、きつく言ってしまったという話をしました。これからはきちんと並んでほしいけど、注意の仕方も気をつけるように先生から話がありました。」 この2事例は、どちらも些細なことだが、きちんと話すという点からは大事な要素を含んでいるように感じる。教師がきちんと説明・報告をさせないために、子どもに力がつかないことがある。子どもが話さなければならないことを教師が代わりに話してしまう。子どもがきちんと話をしていないのに、それを認めてしまう。日常の言語環境にもっと目を向けなければいけないと感じて始めたささやかな実践である。 けんかをした後の話し合い、どうしてそうじがうまくできなかったかを考える場、自主学習をがんばるコツをみんなに紹介する等。日常生活のいろいろな所で「話す」ことを見直さなければならないと考える。 (草津市立志津小)
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