[特別寄稿]
説明文を構造的に読み、書く力につなげる
ノ 純 也

 説明文の読み取りで獲得した技術を書く活動につなげることを意図して実践をした。

(1) 単元 資料を用いて、説得力のある意見文を書こう

(2) 学習材 「天気を予想する」(5年光村図書)

(3) 指導にあたって
 本単元は、学習材「天気を予想する」「グラフや表を用いて書こう」を通して、説得力のある意見文の述べ方、グラフ、表、写真の効果的な用い方の説明の工夫を学び、自分の意見文に生かすことがねらいである。授業の中で段落の役割と資料の役割の二点に焦点化し学習を進めた。

(4) 授業で大事にしたこと
 本文を吟味する手がかりとして二つのことを大事にした。
 ○「問いと答え」が三回繰り返されているということの意図を読みとる。
 ○資料がどのような役割を果たし、主張とどうつながっているのかという点について考える。
 ○「日本の米作りの未来を予想する」(第三次)という意見文を書く。文章の学びを生かすポイント、説得力のある論の進め方、自分の主張に合った資料の提示の仕方を活用し、意見文を書くときに役立たせることである。

(5)学習の成果
 児童は本文の内容を読解するだけでなく、形式段落同士のつながり、意味段落の役割等、文章全体の構造を読み取っていた。
 また、それぞれの段落が筆者の主張とどのようにつながっているのかを考えることで、その段落の必要性に気付くことができた。
 これは、意見文を書く際の文章の組み立てに生かすことに活かすことができた。
 本文の最後には筆者が撮影した天気の写真が提示されている。なぜ筆者撮影の写真を用いたのかを考えさせることで効果があった。それは、「自分で空を見、風を感じることを大切にしてほしい」という筆者の主張とつなげて読み取ることができからである。
 資料の提示の仕方でも、筆者の主張を強調することができる資料の意図を学べた。
 振り返りでは、「自分が意見文を書く時に、伝えたいことに合う説得力を増すような資料を使って構成も工夫していきたい」と感想を書いていた。
(明石市立人丸小学校)