そして誰もいなくなった
好 光 幹 雄

 東風の会の大川先生から聞いたお話です。

 皆さん、アリってみんな一生懸命働いているように思いますよね。
 とこがね、働きアリの三割は怠け者なのだそうです。
 そこで、その三割の怠け者のアリを取り除くと、みんな働きアリになると思いますよね。
 ところが、残った七割の働きアリのうち、またその三割が怠け者のアリになるそうです。
 こうしてどんどん怠け者のアリを取り除いていくと、とうとう一匹も働きアリがいなくなり、そして誰もいなくなったのです。

 これはロシアの寓話ですが、教室にあてはめて考えればとても大切なことを言っているのです。あの子さえいなければ、学級経営が上手くいくのにと思って仮にその子を除外しても、またあの子さえいなければという子が出てきます。そうして自分の学級経営が上手くいくと思う児童だけを残していけば、そしてとうとう誰もいなくなった。そういう話になるんですよ。

   この寓話の意味が分かる先生は、課題があり、問題を起こす子がいても上手な学級経営をされるはずです。そんな子がいることが自分のクラスの宝だと思えるからです。 

 4月、9月、1月からまた新学期が始まります。学校ではリセットして再スタートを切ることが出来ます。    学級経営で悩んでいる先生がおられたら、この寓話の意味をよく理解して再スタートをしてみてはいかがでしょうか。子どもを見る眼差しがきっと変わってくるはずです。
(大津市立小野小)