▼3月例会(第421回)の提案は岡嶋さん(野洲小)。研究教材は「わらぐつの中の神様」(光村5年)「杉みき子さんの作品を読んで紹介し合おう(物語のおすすめカード)」の実践。目標は、「大工さん、おみつさんに着目し登場人物の紹介を文や図で表す」であった。具体的には、人物相関図を書くという言語活動。

▼提案では、学級全員の子が書いた人物相関図が資料として提示されたので、会員がそれぞれ、表現の奥にある思いを読みとり、推薦する人物相関図5点を選ぶことを行った。その意図は評価の観点を何にするかとういう視点探しである。表現した人物相関図を読むと、内容理解の深さや広がりが見えるとともに、作品についての関心も理解することができた。教材には、現在・過去・現在という構成や大工さんとおじいさんが同一人物であること、さらには作品の主題について指導事項がある。提案資料を通して個々の子どもの学習過程を知ることができた。

▼一般論としては、思考ツールとしての人物相関図の活用は読書指導につながるものという意見が出された。読書は本を読むという活動と、内容理解や広さ・深さを求められるからである。つまり、読書指導を契機とし、意欲をつなぐという位置づけである。

▼巻頭には、退職された伊庭先生から原稿をいただきました。深謝。(吉永幸司)