読書でつながる学級づくり
蜂 屋 正 雄

 昨年度に続き5年生を担任することになった。昨年度の取り組みを振り返り、今年度の構想を立てたい。

 昨年度の活動として
○ 毎週木曜日の朝読書(15分間)
 全校で読書する時間として、位置づけられている。いつでも本が読めるよう、1人1冊常に読みたい本を机の横に提げたカバンに入れておくということが全校の取り組みとしてあるのが効果的であった。
○ 読書カード
 読んだ本のタイトル、日付、ページ数を記入。スゴロクを用意し、1000ページごとにマスを進め、達成カードを渡した。子どもたちのモチベーションを高める一つの方法として効果的であった。
○ 本係誕生
 読書カードの活動を担当する係が生まれた。読書の好きな子が担当し、カードを渡したりコマを進めたり、自分お薦めの本を紹介するコーナーをつくったりと、盛り上げてくれた。

  ○ ビブリオバトル
 1学期に「広がる、つながる、わたしたちの読書」で、教材文である「千年の釘にいどむ」を共通教材にはじめてのビブリオバトルに取り組んだ。同じ本でもお薦めのポイントは人によってちがうことが楽しく実感できた。
 2学期は、今まで読んで面白かった本について、ビブリオバトルを行った。図画工作科の平面作品としても、自分の読んできた本の主人公が登場する絵を空想して描くなど、絵の世界にひたった。
 3学期は、伝記物語を読むことを課した。百年後の「ふるさとを守る」の学習内容もふまえて、話す聞く単元の「すいせんします。」でも、学校に来てもらって「人生が豊かになる話しをしてもらう。」ために、本を元に、自分が感銘を受けた歴史上の人物に来てもらえるように、すいせんするスピーチを行った。

 昨年度行ったビブリオバトルの利点は、「本を通じて友だちのことがより深く分かり、つながれる」という点につきる。読書が苦手な子も、仲のいい友だちが読んでいる本だと、手に触れ、読む姿が多く見られた。伝え手が子ども同士になることで、教師経由の場合よりも気楽に、意欲的に本を手に取っているように見えた。また、その本を読むことで友だちの価値観を知ることができたり、共通体験ができたり、と、お互いをよりよく知る機会にすることができたように思った。
 今年度の5年生は、昨年度にビブリオバトルに取り組んでおり、ある程度経験のある状態でのスタートとなるが、「友だちのことが本を通じてより深く分かり、つながれる」ことを目標に、引き続き取り組んでいきたい。
(草津市立矢倉小)