▼国語の授業が楽しいと子供も先生も思う日が続くという教室の話です。以前は国語の 勉強がなかったら、学校はもっと楽しいのにと子供は思っていました。先生は、子供自身で問題を作る授業を提案したのです。与えられた問題とは違うという魅力が子供を元気にしました。

▼教材「モチモチの木」の最初の場面で、子供達は、「じさまは、六十四なのに、青じしを追っかけて、きもをひやすようなことがなぜできるのか」という問題を作りました。およそ、大人の常識を越えた問題です。が、子供の学習態度は今までと違っていました。意見も次々と生まれました。豆太がかわいいということを伝えるために、たくさんの根拠となる文を見付ける子、「たった二人」ということの意味を説明する子などをもとに子供同士の話し合いが生まれ盛り上がりを見せました。

▼勢いにのると学習への参加の仕方が違ってきます。「僕たちが作った問題」ということの魅力でしょうか、国語学習について次のような変容をみることができました。「一つの言葉からいろいろな問題を見つけることができました」「友達の発表を聞いて色々な答えを見つける力がつきました」「前の場面や後の場面から説明する言葉探しをしたので、文を読むのが楽しくなりました」など、学習力の成長を語る子供達です。

▼正しい答えがありそこに到達させるための授業よりも、正しい答えは何かを考え合う授業が子供の学びに似合っているのです。自分で考えることの楽しさに気づかせ、学習に対する主役意識を育てる視点を生み出すと授業改善の方向や道筋が見えてきます。(吉永幸司)