▼知性とは「冷静な判断力」という言葉を『知性の磨き方』の著者斎藤隆さんは成毛眞さんとの対談で述べておられる記事を読んだことがあります。「冷静な判断力」というのは、たとえば、デマを信じ込んでちゃんとした判断ができないというのは知性に欠けていると言うことだそうです。現在は情報が溢れています。どれを選択し判断して行動するかということが問われています。知性が求められている時代において大事な示唆です。

▼「臍下丹田」に意識をおいた胆力も知性の中にあってもいいというお話も対談の話題になっていました。ヘソのした、指三本くらいの奥にあるいわゆる「臍下丹田」に意識を置いて息をフッーと吐くことによってざわついたところでも自分の所をだけは静かにいられる。西郷隆盛は人格が胆力そのものと述べ詳しく「腹からわき出る知性」に話題が広がっていく対談でした。

▼ネット時代は知性とは距離があるように思えます。辞典で調べるより検索をすれば知識が得られます。SNSは気楽におしゃべりを楽しむことができます。それだけでは知性は育たないのです。活字離れが普通になっている今、読書の日常化を取り戻すことが大事なのです。斎藤さんは、知性を高めるには、新聞を読む、夏目漱石の『坊ちゃん』の音読を勧めています。音読や読書の活動によって、子どもには、言葉に身を刻むような勉強をするべきでであると述べて対談は結んでいました。(吉永幸司)