課題解決のための6ステップ
森 邦 博
課題解決のためのプロセスー学習過程ーを通じて「自ら学ぶ力」を身に付けていくことが求められている。私は学校図書館教育に携わってきた関係から、学校図書館教育の研究会で常に追究されてきた「自ら学ぶ力を身に付け、学び方を学ぶ」というテーマとも深いつながりがあるように思っている。 「課題解決のための6ステップ」(アイゼンバーグ、コルヴィッツ1990年)(「シリーズ「学校図書館育てます!調べる力・考える力」遊佐幸枝著、少年写真新聞社2011年刊、37p〜下表)は、学校図書館と学習指導を考える上で大変参考になると考えている。と同時に、今求められている教育の課題と重なる部分が大きくある。課題解決の指導過程を構想するときに一つの目安になるのではないかと思われる。 現行の学習指導要領は義務教育9カ年を見通している。「国語」の「読むこと」の「目標」の態度面について、小学校低学年〜中3を見通してみると、「楽しく、幅広く本を選択し、考えを広げ深めたりして、ものの見方考え方を広げ、役立てたり自己を向上させようとする」という態度育成の道筋が見えてくる。指導内容を見通すと、小高学年の「比べて読む」を踏まえ、中学校で本格的に「情報活用」へ発展させている。その内容は、 ・情報を集めるための方法を身に付ける。(中1) ・適切な情報を得て 自分の考えをまとめる。(中2) を経て、 ・目的に応じて本や文章などを読み、知識を 広げたり自分の考えを深めたりする。(中3) というゴールイメージである。 これらを具体的な単元の指導で、具体的な学習活動を通して培っ ていくのである。このとき、下表のような指導のステップ表があると、計画的な指導の構想を立てる上での利点があると思う。 特にこの表に設定している「6評価する」というステップは大事にしたい。 学習活動が「4」、また は「5」までで終わるので なく、「6ーA自らの課題解決プロセスを判定する」(自己評価のステップ)を指導過程にきちんと織り込むことが課題解決のためのプロセスー学習過程ーを通じて「自ら学ぶ」意欲と態度そして技を身につけさせることにつながると考えるからである。
(京都女子大学非常勤講師)
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