▼「はい」といったら、ウソになってしまう/「いいえ」といっても ほんとうではない/「はい」と「いいえ」のあいだに/100万の虹色の答えがある/それが「こころ」っていうもんさ/「はい」と「いいえ」の双子の心/「おお笑い」のおくに 悲しみの泉がわき/「おお泣き」のはてに 希望のカケラが浮かぶ/「おお笑い」と「おお泣き」のあいだいに/100万の虹色の人生がある/それが「こころ」っていうもんさ/「わらい」と「なき」の双子の心

▼工藤直子さんの詩「双子の心」は「はい」から「いいえ」人間としての心の広さが伝わってくる。詩を読みながら、授業の場面を想像した。発問をする。様々に心が動く。「わかった」と「わからない」の双子の心の間にあるもの。それが教室を学びに彩る。

▼「ごんぎつね」「海の命」「やまなし」を学ぶ教室を思い浮かべる。様々な言葉で自分の感動を伝えようとする子どもたち。読みが浅いと思える答えも読みが深いと感じる答えも「双子の心」としてその答えの奥を考えていると、どの発言も愛しくなってくる。

▼詩「双子の心」は、人の考えや見方を優しくしてくれる。(吉永幸司)