巻頭言
再任用の5年目
中 神 國 彰

 現職を3年間、再任用で4年間勤務した川西小学校から川西北小学校に転勤となった。新任指導教員として20日間通勤したことがあるが、初めての学校である。前の学校では、新しく来た先生たちにチョークの保管場所や体育で使 う道具のしまってある場所を教えていたが、今度は逆の立場になってしまった。どこにゴミ袋があるのか、職員室の掃除道具がどこなのかを以前からいる教職員に聞かないとわからない。職員室に電話がかかってきても、児童の名前や先生の名前がすっと出てこない。電話の取り次ぎが億劫になってくることもあった。

 週15,5時間で月曜から木曜の午前中に勤務している。同室複数指導で主に特別支援の児童の横に座り、学習の補助をしている。今年度は1・2年生が中心である。係から毎週の入り込み時間割表が金曜日に配られる。授業時間だけの支援だが、多動傾向にある児童の担当の時は、次の先生が来るまでその子につきっきりになる。休み時間の自分のトイレの時間も考えて行動しなければならない。

 担任と特別支援児によって、補助の仕方が違う。
 ・横に座って、特別支援の児童に授業の流れを伝える。
 ・子どもの作品を掲示板に貼ったり、透明ホルダーに入れたりする。
 ・計算ドリルやテストの採点。
 ・図工でつかう配布物の準備。
 ・支援児以外の落ち着きのない子やわからない子の学習の補助。
 ・担任の全体指導後の机間指導の補助 など。

 やっていて達成感があるのは、何をすればいいのかわからない子に声をかけて、担任の指示を伝えヒントをあげると、すぐに鉛筆を持ちノートに書き込んでいくときだ。子どもに学習の意欲があるときである。逆に困るのは、暑さや空腹で考えることが困難になったり、休み時間に友達とけんかして気持ちの整理ができなかったりしている時だ。暑さは教室のクーラーでなんとかなるが、子どもの気持ちが落ち着き、学習の意欲が回復するまでは時間がかかる。

 担任によって、次の時間の学習内容を伝えてくれることがある。授業の展開が予想でき、教室での学習活動の補助がしやすくなる。教室に入って困るのは、1時間、説明の時間が続く時だ。横から見ていて、子ども達が退屈しているのが分かる。発言機会を与えるか、書く作業を入れるかすれば子ども達はもっと授業に集中できるはずだ。私の活動機会もほとんどない。終日勤務ならば、放課後残って授業について話し合うこともできるが、担任は子どもがいる時間帯は忙しく仕事をしている。担任に時間が出来た時には、私は勤務終了で家に帰っている。工夫して担任と話し合う機会を持たなければならない。

 再任用期間も含めて、41年間、小学校教員を続けられたのは子どもに教えることや関わることが好きだったのだろう。丈夫に産んで育ててくれた両親に感謝している。私の息子と娘の3人とも教職につくことができた。来年3月まで健康で、子ども達の学習に寄り添って支援していきたい。
(川西市立川西北小学校教諭 竹の会会員)