滋賀県国語研究部会 国語力アップセミナーに参加して
北 川 雅 士

 8月19日に滋賀大学教育学部で行われた第10回国語力アップセミナーに参加した。県内の先生が講師となり、日々の実践から子どもが興味をもつ授業のネタを教えていただく形になっている。

 前半は彦根市立城東小学校の不破先生。「言葉を楽しむ学級づくり」というテーマで、国語科の学習を生かして、日々の学校生活の中で言葉を楽しみながら学べる取り組みを教えていただいた。その中でおもしろいと感じたのが、書くことの取り組みである。中でも新出漢字を活用した短作文はぜひやってみたいと思った。取り組み方としては、

(1) 「今日のお題」を設定する。
(2) 自分で言葉集め。(同音異字、同訓異字、擬音語など) 
(3) みんなで言葉集め。 
(4) 集めた言葉を使い文作り。(集めた言葉がなるべく多く使えるように書く)
(5) 交流タイム。(使い方は間違っていないか。おもしろい表現を全体交流する)

 セミナーでは、「生」を使った言葉を集めて、うそつき作文(本当のことでなくてもいいので文章を作る)に取り組んだ。「集めた言葉をなるべく使ってみましょう」という声に思わず夢中で文章を書いてしまった。作文の習慣をつけながら、語彙を増やす、文章構成力を高めるという学習になっているだけでなく、なるべく多くの言葉を文章に加えようと意欲的に取り組めそうな活動で、自身の学級でも是非取り組みたいと考えた。

 後半は野洲市立祇王小学校の辻先生「子どもが乗り出す!読むことの授業づくり」というテーマで、言語活動の設定、単元構成、1時間の学習の流れについてや、「ビーバーの大工事」(東京書籍2年下)「サーカスのライオン」(東京書籍3年下)など教科書の教材文を用いながら具体的な活動内容を教えていただいた。セミナーでは「ビーバーの大工事」からクイズを作るという学習活動を行いながら、学習の流れや教師のモデル提示のポイントを示していただいた。

 このセミナーで学ばせていただくことは、どれも2学期以降の学習、学級経営に活用できるネタである。例年様々な現役の先生方から実践を教えていただけるのも貴重な機会になっている。今回のセミナーで学んだことも、2学期以降の学習に活用できたらと考えている。
 また今回のセミナーではもう一つ貴重なお話を聞くことができた。それは水上正一先生の講話である。自身が生まれる以前からの国語の実践や、学校の様子を話していただき。滋賀県の国語教育の歴史についても学ぶことができた。

   セミナー閉会に際し、滋賀県の地域文集「近江の子ども」を先着でいただけるということで、貴重な一冊をいただいた。発行は昭和52年の第51号。大切に保管して時々読み返したいと思う。
(彦根市立城南小)