吉永先生の国語教室「夏期講座」
伊 庭 郁 夫

 8月20日、京都女子大学で毎年恒例の「夏期講座」が開催された。三部構成である。

 第一部は、吉永先生の「国語力は人間力・これからの国語授業改善のポイント」である。
 アクティブ・ラーニングの視点からの授業改善である。アクティブ・ラーニングは、大学の授業改革から始まったそう。「自ら課題を発見し、その解決に向けて、主体的・能動的に学ぶ学習」のことである。
 国語の教科書とは「教科書」と「教師」であり、教師自身が丁寧で美しい言葉を使うことが基本である。そして、「丁寧語で話しましょう」と指導する。ドッジボールのトラブルも丁寧語での説明を求める。言葉の力を日常生活に生かし、生活を変えていくのである。
 また、パフォーマンス評価の視点では、自分の学習過程を説明する力が求められる。例えば、司会者・記録者・発言者それぞれの立場で、場に応じた話す力が必要となってくる。
 さらに、「授業完結型」と「生活関連型」の両方があることを心得て、授業のポイントを見逃がさないことが大事である。「カリキュラム・マネジメント」を意識し、国語科で終わるのか総合的な学習の時間や特別活動に発展させるのかを考えていく。

 第二部は、京女式板書の実際である。国語科は「読む・書く・聞く・話す」というシンプルな学習だと吉永先生は話される。その中の「書く」を酒井先生から伝授していただいた。
 板書は、どんな学習をしたのかがわかるものでなくてはならない。そして、子どもの発表が生かされることが求められる、一文字一文字心のこもった板書であり、学年の発達段階を考慮した深い教材研究に裏打ちされたものであった。「かんがえるくん」「よむぞうさん」「かくまさん」などのキャラクターもやる気を起こさせる。

 第三部も印象的であった。高丸もと子先生の詩の授業である。
「小さく小さくなって友達の中を探検しよう」「どこから入る?鼻・口・それとも耳」「どこを探検する?脳・胃それとも心の中」。
 子どもたちは、それを聞いた途端わくわく感でいっぱいになるに違いない。
 「どきどき・どきん」は、詩作した作品の音読もとても楽しい。「ズバリ名人」では、参加者全員で詩作に挑戦した。
 そして、高丸先生との出会いからヒントを得て、子どもたちに授業をされた吉永先生の人間力に脱帽であった。
(大津市立木戸小)