▼授業が上手に進んでいる学級には、いくつかの共通点がある。そのひとつに言語環境が整っていることがあげられる。授業中の言葉が美しい、ノートの文字が丁寧である、板書がわかりやすい等である。

▼2年生の授業を参観した。子供達が課題について考えを述べ合っていた。最初は、自分が考えたことを発表し、聞き合うという授業であった。その授業は、大事なことをしっかり聞こうという雰囲気が伝わってきた。

▼授業を参観し、細かく子供も様子をみることに慣れてくるに従って、学び合う子供の様子に目を向ける余裕が出て来た。そして、驚いた。友達の名前を敬称で呼び合う。呼ばれたら返事をするということが自然にできていたのである。さらに、発表する時は、椅子を整えてからというのをいかにも普通のようにする子供達であった。学びの雰囲気ができているのである。

▼その授業は5月中旬。2年生に進級してひと月、クラス替えや新しい担任との出会いがある4月を経たわずかの時間で育てられたのである。その秘訣は大事なことを繰り返し指導されてきた。「2年生だからといって子供に好かれようと思ったらできない。この人達が学習しやすいようにする。」「大事なことはどの子も習得するようにした。」という。

▼4月の学級づくりの大事さは色々な言葉で語られる。躾であり雰囲気づくりであり、学習規律である。大事なことを繰り返し指導をするということは簡単そうに見えて難しい。しかも習慣として具体的になるには、時間と粘りが必要だろうと思う。(吉永幸司)