第20回「新しい国語実践」の研究会 滋賀大会
分 科 会 報 告
飯 沼 俊 雄

 2015年12月26日、27日の研究大会において、「説明的文章における読む力を高める授業改善〜筆者の説明の仕方を読み取り、その良さを活用する力を高めるために〜」と題し、説明的文章を扱った「読むこと」の実践について提案をさせていただいた。

 単元名は、「筆者の説明の仕方を手がかりにして、『ビフォアーアフターBOOK』を作ろう〜「すがたをかえる大豆」(光村図書3年下)〜」である。主体的に読む力を高めることを目標にした実践である。教材の説明文を読んで、「大豆以外の食べ物についても知りたい、伝えたい」という子どもの思いを大切にして、教材文から筆者の説明の仕方を読み取り、読み取った説明に必要な要素で、関連した本や図鑑を読み、BOOKに表現する学習活動を設定した。学習計画表で学習の見通しを持ち、次の学習の意欲と知識の定着をねらいとした振り返りが入っている単元構想は評価を得た。内容の確認に終わらないように、振り返りの観点の明確な提示が効果的であった。しかし、一方では、子どもが説明文をしっかりと読み取り、筆者の言いたいことを自分のものにすることができたかについては手立てが不十分であることが明らかとなり、今後の課題となった。

 発表を終え、自分自身の実践を再度、振り返ってみた時、国語を学ぶことが楽しくて、しかも、力のつく授業になっていないことに気づいた。さらに、一人ひとりを大切にした指導、一部の子どもだけではなく、全員参加の国語教室にしたい思いが強く残った。

 助言や講演、これからの国語教育の在り方を語り合った実践交流会から、以下の6点を中心に今後取り組んでいきたい。
@子どもの国語力を1人ひとり捉える。
A誤答を予測し、その子に合った手立てをうっていく。
B子どもから問いが生まれるような課題設定、子どもが間違えそうなことをあえて引き出すような課題設定。
C目標の規準が子どもの実態に合っているかどうかを常に考える。
D目的や必然性を持たせ、言いっぱなしにならない交流活動。
E日常の読書生活へつながる授業づくり。

 研究会では、アクティブラーニングも話題となり、新しい時代に向かっての国語教育の在り方が問われる。子どもたちのさらなる国語力向上に全力を注ぐ決意を新たにした2日間となった。
(湖南市立菩提寺北小)