季節の言葉にふれる
北 川 雅 士

 光村図書の5年生の教科書には「季節の言葉」という教材があり、本年度は季節ごとにこの単元を学習する時には、学級で季節の言葉を集め、俳句を作って交流会を開こうということで学習を進めてきた。5月の中ごろに「春から夏へ」、夏休みに入る直前の7月に「夏の日に」、そして11月には「秋の空」という順に、四季折々の行事・現象などを表す言葉を取り上げ、日々の生活と季節とのつながりに目が向くようになっている。学習の時数としては、季節ごとに1時間ではあるが、「季節の言葉」の学習をすることで、季節の移り変わりを感じている子どももいる。

 2月の中旬に、5年生の季節の言葉としては最後になる「冬から春へ」を学習した。今年は2月もかなり降雪があり、まだまだ寒いということもあり子どもの反応も様々であった。「まだ春じゃないやん」「まだ雪積もってるよ」「冬のなんとかやと思った」という反応が多かったが、「もう春なんや」とつぶやく子もいた。

 「冬から春へ」で取り上げられている言葉は、冬から初春にかけての言葉が中心となる。教科書の言葉を声に出して読みながら掲載されている写真でどのようなものなのかを学習したあと、一人ひとり言葉を集め、俳句を作って交流をした。そのいくつかを紹介したい。

 山の雪 風花なりて おりてくる
 初春を 教えてくれる 梅の花
 冬すぎて さみしさ残る 教室かな
 花粉しょう 毎年ぼくを 苦しめる
 ひなまつり 少し寒いが 春ちかし
 健康を 願って食べる 七草がゆ
 外見れば 春めくけしき きれいだな
 北陸に 春をつげる 新幹線

 言葉の見つかりにくい子には2月から3月をイメージして言葉を集めるように話した。子どもたちの様子を見ていると「春から夏へ」の頃に比べ、作品作りに取り組む姿が楽しそうに感じた。また、テレビ番組で俳句が取り上げられていることもあり、創作意欲も高い。年間で4回、四季折々の言葉で俳句を作ってきたが、今回の作品をみると、学習した言葉を生かしているものもあれば、自分の感じた情景を句にしたり、話題になっているものを取り入れたりと様々な作品ができている。これまでの学習を生かし、今後も美しい日本語の表現にふれながら、季節を感じる言葉を大切にして欲しいと願う。
(彦根市立城南小)