すじ道を立てて話そう その2
海 東 貴 利

 「しりょうから分かったことを発表しよう」(光村3年下)は、資料を読み、発表メモを作成しながら、分かりやすく発表するにはどのようにすればいいか考える「話すこと・聞くこと」の教材である。

 第1時では、教材にある資料を見て、大まかな内容を読み取らせた。ノートに分かったことを書き出した後、その資料を使ってどんな発表ができるかを考えさせた。発表は、予想していた通り、気づいたことの羅列になった。これを出発点に、分かりやすく発表ができることを目指すことにした。

 第2時では、音声教材のCD「南さんの発表」を聞いて、南さんの発表のいいところを見つける学習をした。資料を見ながら南さんの発表を聞き、そのよさや工夫を見つけさせた。
 子どもたちが見つけた分かりやすくする発表の工夫は、
 o自分の考えも最後に言っていたところ
 o「ですます」で、ていねいに話していたところ
 o一番多いものと一番少ないものなど注目したことを言っていたところ
 o間を開けて話していたところ
 o初めに何について話すかを言っていたところ
 o何人の人に聞いているかを言っていたところ
 oどこの、だれに聞いたアンケートかも言ったところ
 o二つのグラフを比べて言っているところ などである。
 教科書には資料の他に「南さんの発表」が話し言葉で全て載せてあるページもあるが、この時間の学習では資料だけを見て、聞く活動に集中させた。聞くという学習だけで、これだけの発表の工夫点を見つけることができた。
 この後、同じ資料を使って、見つけた発表の工夫を生かして2回目の発表にさせた。

【児童の発表】 この2つのグラフは、長山地区に住む男子47人と女子43人、合わせて90人にアンケートをした結果です。するのがすきなスポーツと見るのがすきなスポーツの2つありますが、ぼくはするのがすきなスポーツと見るのがすきなスポーツで一番人気があるスポーツを見てみました。するのがすきなスポーツではドッジボールが22人で、90人中22人だからかなり多いことが分かります。見るのがすきなスポーツでは、ドッジボールが6人……。
 2回目の発表は、第1時の1回目の発表よりも具体的に説明しようとするところがみられた。特に、人数や数字に着目した発表ができるようになった。この時点では教材を聞いて、その工夫点を考え出すことはできるものの、自分の発表の仕方に十分に生かすことはまだ難しい段階だった。

 第3時の3回目の発表は、メモを作って発表させた。まず、教科書に載っている南さんの発表メモ前半部分の続きを考えさせた。音声教材を聞き、後半部分のメモを書かせた。第2時と同じように、資料を見せながら発表させた。「はじめにこれから何について話すか」や「分かったことや考えたことを区別して話す」ことができる子もでてきた。子どもたちが学習の中で見つけ出した分かりやすくするための発表の工夫を自分たちの発表の中に取り入れて話すことができるようになってきた。

 数回にわたって、音声教材CDを聞き、それをモデルに自分たちの発表力を少しずつレベルアップさせることができた。
(高島市立マキノ南小)