「たとえ」を使って
弓 削 裕 之

 「スイミー」(光村2上)には、「〜ような」「〜みたいな」を用いた比喩表現が登場する。子どもたちに目を閉じるように声をかけ、たとえを使わない文とたとえを使う文の両方を読んで聞かせた。「くらげ」「ゼリーのようなくらげ」「岩」「ドロップみたいな岩」。たとえを使った文のほうで、「わあ…」と子どもたちから声がもれた。「すごいはやさでつっこんできた」と「すごいはやさでミサイルみたいにつっこんできた」では、後者のほうが「迫力がある」と感想を述べた子もいた。
 次に、「〜ような」「〜みたいな」を使った文づくりをし、発表をした。

 ワニみたいな岩
 そうめんみたいなうなぎ
 ロケットのようなえんぴつ
 にじのようなけしゴム
 人げんみたいなロボット
 らっかさんのような、たんぽぽのわた毛
 なみだのような雨

 発表の際、聞き手は先ほどのように目を閉じるよう声をかけた。みんな、友だちの比喩表現を聞きながら「こんな感じかなぁ…」と想像をしていた。その後、「たとえを使った文にはどのようなよさがありますか」と問いかけた。子どもたちから次の6つがあがったので、「たとえのよさ」としてノートに記録させた。

○わかりやすい。
○ひょうげんしやすい。
○そうぞうしやすい。
○くわしくわかる。
○細かくわかる。
○どんなじょうたいかがわかる。

 まとめには、たとえのよさや、目を閉じて想像したこと、文づくりについての感想が書かれていた。
oたとえをそうぞうすると、とてもたのしかったです。またやりたいです。
o目をつむっていたら、たとえのよさに入っている「どんなじょうたいかがわかる」というのがほんとうにわかりました。
o「たとえのよさ」という6このコツをつかみました。そうぞうの力が、「たとえのよさ」というコツをつかんで、すごくのびました。
oたとえをつかって文をつくると、いつもつかっている言ばがすごいいみがあると思いました。
oじぶんで考えるときょうかしょよりもいっぱい書けました。じぶんで考えてよかったなと思います。
oわたしのおきにいりは、「石みたいなほう石」と「こんぶみたいなかみの毛」と「けしゴムのようなかがみ」です。また文をつくりたいです。
oわたしは、どうしてもはっぴょうしたかったのがあります。それは、「コショウや、しおみたいな、すな」です。ほかにもいろんなことを書いたのですが、それが一ばんだと思いました。また、じかんがあれば、見てください。
(京都女子大学附属小)