巻頭言
研修講座から
堀 口 美 紀

「福井県嶺南地区小中学校教職員の資質能力および指導力の向上を図る魅力ある研修講座の企画運営を行う。」
 これは、私が現在所属している研修課の業務の1つである。福井県敦賀市以西の嶺南地区において、国や県の施策、教職員のニーズに応じた研修講座を企画運営している。今年度は、38講座54コースの研修講座を実施した。

 今夏、「小中学校学級経営研修講座」の講師として、吉永幸司先生を迎えた。
 この研修講座を通して、吉永先生から、「自分のことが自分で表現できる子どもを育てる」「大事なことは言葉の力」ということを学んだ。
 受講者の感想には、
・子ども達が自立できる言葉かけや対応の仕方をこれから考えていきたい。
・児童自身が考えて話す機会を持つ、一人一人が自分の言葉で自分のことをきちんと言える、自分の言ったことに責任をとれる。そういった場を設定していきたい。
・子ども達が集団を意識し、言葉に温もりのあるクラスにしていきたい。
などと書かれており、今後の自分の実践に結び付けたいという思いがうかがえた。
 優しさの中にも凛とした強さをお持ちの吉永先生。お話の内容から学ぶだけではなく、目の前で話す先生のお姿から、教師として強い信念を持つことも学んだ研修講座となった。

 学校教育におけるあらゆる分野で、研究や実践を積まれてこられた先生方に出会い、学べる機会はそうそうない。本を読んで学んだり、遠方の研修会に足を運んで学んだりすることもできるが、著名な先生方を講師に迎え、直接学ぶことのできる研修講座の意義は大きいと感じている。そういった意味でも、課題やニーズを捉え、よりよい研修講座を企画運営しなければならない。

 現在は、来年度の研修講座を企画する時期となっており、研修課員が頭を悩ませている。課員は、企画した研修講座が嶺南地区の教職員にとって、多くの学びやその後の実践につながることを期待している。そして、子ども達に還元されていくことを願っている。
(福井県教育庁嶺南教育事務所研修課)