説明文の音読 (2) 「ゆるやかにつながるインターネット」5年
吉 永 幸 司
1 言葉の意味を解きほぐしながら読む <第2段落の文章を読む> 第1段落では、文章の読み取り方が活動の中心であった。第2段落はつなぎ方を意識した音読をさせる。第2段落の文章は次の通りである。(文番号は第1段落と続けている) Eインターネットの登場により、わたしたちは、世界中の人たちと瞬時に文字や写真、音声、動画などの大量の情報をやり取りできるようになりました。 F実際に会うのが難しい人とも、まるで、隣にいるかのようにやり取りができ、「広く遠い」世界がぐっと、「せまく近い」ものに感じられるようになりました。 Gインターネットを通じて人と人とがつながるとは、どのようなことなのか、考えてみましょう。 2 質問から語句に立ち止まって読む 意味が理解できない難しい語句ではない。しかし、語句の意味を理解しないと内容が分からないという語句が多い段落である。 ○難しい語句(辞書で調べる) ※瞬時・大量・情報 ○文章の内容に沿って理解を必要とする語句 ※世界中の人たち・文字・音声・動画・大量の情報・人と人がつながる ○内容の理解に関わる語句 ※広く遠い・せまく近い 第2段落の音読を通して、語句の理解が確かかどうか確かめるには質問をさせる。 「わからない言葉はどれですか。」 「文章の内容を理解する上で意味が分からないと思った文はどの文ですか。」 質問することは、語句を意識する習慣を育てる経験になる。辞書で調べる、理解していることを説明する、教師が解説をする等の方法がある。 3 段落の関係を読み取る 大体の内容が理解できた段階で、「インターネットの登場によりどうなったか」という問題を意識して文章を読ませる。目の付けどころは文末である。音読は、黙読では見逃しやすい語句や文節に目を向ける働きがある。特に、文末に着目をさせると音読の効果がある。 第1段落Dと第2段落Eが「インターネット」でつながっていることや、Gが「つながる」をキーワードにした問いかけの文であることを音読で気づかせることが大事である。 (京都女子大学)
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