演習を通して学び合う
三 上 昌 男

 今年度も近江八幡市教育研究所主催の小学校国語科授業づくり講座を担当した。
 今回は、「音読の学習」「話を聞いてメモを取る学習」「相手意識・目的意識を大事にした短作文学習」を扱い、演習を取り入れて学び合う方法で進めていった。

 音読では、「のはらうた」(くどうなおこ)の「ぐるーぷ・めだか」の詩3篇を使い、グループ音読(群読)を工夫する活動を展開した。それぞれのグループが発表する場を設定し、感想を交流した。
◆詩のグループ音読は、それぞれのグループが工夫していて、楽しいなと思いました。子どももきっと楽しく、教師を超える工夫をしてくれると思うので、さっそく2学期にやってみたいと思います。(参加者の感想より)

 メモを取る学習では、教科書教材「話を聞いてメモをとろう」(東京書籍3年上)を使用した。メモの取り方の基本型を確認して、実際にメモを取る活動を取り入れて交流した。また、発表のためのメモや話し合いに参加するためのメモなど、メモ学習の広がりを実践例を示して紹介した。
◆子どもの立場に立ってやってみると、見えてくるものがたくさんあることが分かり、たいへん貴重な体験になりました。(参加者の感想より)

 作文学習では、相手や目的に応じて書く実践例を紹介した。
<題材例> 「あなたの相談や質問に答えます」
<作文の内容>
 学校生活で苦手なこと・困っていることなどを友だちに尋ねる形で出し合い、それに対するアドバイスを書いて答える作文。
 また、図書室で好きなの本の題名を借りて書く「題名レンタル作文」の演習に取り組んでみた。
◆国語って本当に魅力的だなと思いました。特にやりたいと思ったのが「題名レンタル作文」です。作文が苦手な子でも自分の想像を働かせて書けると感じました。
◆「書く」指導において、「やってみたい」とわくわくするものをたくさん教えていただきました。また、相手意識・目的意識を持って書くことでどのように書くかがすごく変わるのだと感じました。 (参加者の感想より)

 教材研究を共同ですることもままならぬ毎日だけに、参加者の先生方には、子どもの側に立ち、演習を通して学ぶ機会は新鮮に受け止めていただいたようである。
 国語科の授業改善では、「ねらいを明確にし、言語力を育てる授業づくり」「仲間と学び合うよさを体感できる授業づくり」をめざしていきたいと考えている。
(近江八幡市立沖島小)