▼6例会(第376回)は教材研究。研究教材は「注文の多い料理店」(東京書籍5年)。

▼授業担当者が「作品の面白さを味わわせたい」との思いをもっていることを確認した上で教材研究を始めた。

▼先ずは、段落交替で音読を進める。賢治独特の言い回しに何度も読み誤りながら通読を終えた。音読すると、1段落1文の箇所が多いことに気づく。また、「遠慮はありません」などの言葉遣いの面白さも見えてくる。賢治ならではのことばをしっかり読んでいく必要がある。

▼続いて「作品の面白さ」について意見交流をする。読み手と2人の紳士の距離感。読み手はどのあたりで「どうもおかしいぞ」と気づくか。そのずれを読み手としてどう意識させるか。2人の紳士の会話の滑稽さ。次々に出される注文をよいように解釈し、何の疑いももたずに奥へ進んでいく紳士たち。作品冒頭の2人の紳士の服装や会話に立ち戻りながら、人物像を描き出していくのも面白い読み方である。

▼また、ファンタジーの入り口と出口についても話し合った。賢治の物語の仕掛けを見つけながら、「注文の多い料理店」から賢治の作品世界を味わうのも魅力的である。

▼学習のまとめは、「読む学習」のまとめ。「〜の力がつきました」「〜ができるようになりました」と自分の学習力の評価に、と教材研究をまとめました。(西村嘉人)