巻頭言
他校との交流を生かす
三 上 昌 男

 琵琶湖の離島にある沖島小学校では、市内の学校や県内のへき地少人数の学校、県外の学校との交流を行っています。近隣の島小学校とは、各学年の校外学習を一緒に実施するなど、年間を通して計画的に交流しています。
 本校では、交流のねらいを明確にし、子どもたちの指導・支援に努めようと話し合っています。子ども個々の状況が異なりますが、その子なりに交流のめあてと見通しをもって主体的に参加し、ふり返りの中で成果を確認できるよう仕組む必要を感じます。「○○小のみんなに遠泳会のことを紹介したい」「○○さんと友だちになれた」「グループの友だちとこんな話や活動が一緒にできた」など、子どもの言葉で交流のめあてや成果が語れるよう導きたいと考えています。

 甲賀市の鮎河小学校とは、20年以上交流を続けています。3・4年生の児童が交互に相手校を訪問し、宿泊体験する形で現在に至っています。今年度は、本校が迎える番でした。
 歓迎セレモニーでは、本校児童全員が「沖島太鼓」を披露し、鮎河小からは、伝統民謡「鈴鹿馬子唄」を披露してもらいました。
 1日目は、琵琶湖での水泳、カレー作り、学校紹介などを行いました。2日目は、港で魚つり大会をしました。天候にも恵まれ、充実した交流会が実施できたことを嬉しく思います。
 3・4年生の2人には、自分たちが中心となって進める大きな行事であり、いろいろな準備や練習をして臨みました。

 学校紹介については、担任により、国語科の学習「沖島を紹介しよう」(全4時間)を次のように計画し、授業が展開されました。
(1) 自分が紹介したいことを考え、資料(写真等)の準備をする。
(2) 伝えたい内容と順序を考えて整理し、鮎河小の人に分かりやすい紹介文を書く。
(3) 相手に分かりやすく話し、互いに良さや感想を伝える。
「話すこと・聞くこと」の学習として、3・4年の共通するねらいを設定しながら、個別の配慮を盛り込んだ複式学級の指導計画を作成して取り組みました。
 本番では、学習の成果がしっかりした態度や発表内容に表れ、一人一人の成長を感じました。

 交流の事前事後、教科の学習と関連づけ、言語活動の充実を図ることを大事にしています。そのことにより、交流が生きてきます。
(近江八幡市立沖島小学校長)