4行作文「私のモノ物語」(3年)その1
吉 永 幸 司

 公開授業で四行作文の授業を考えた。そして、家庭を巻き込んで単元(帯)学習を目指した。その意図や授業の実際をまとめた。

1、四行作文で育てたい力
 子どもに実生活に生きる言葉の力を育てたい。具体的には、事実を具体的に話せる子どもである。そう思ったのは、授業中の子どもの発言の仕方に疑問をもったからである。多くの場合、発問に対して、単語、または一文がほとんどである。このような活動を積み上げても、日常の話し言葉は育たないという実態把握である。
 育てたい力は、「複数以上の文で話せる子」である。つまり、一文ではそれほど考えなくても自分の気持ちは伝えられる。複数以上を意識することで、考える力が育つであろう。四行作文への着目である。

2、四行作文の手法を生かす
 短作文で、四行作文は効果を上げた。書くこと厭わない子が育った。それは形がはっきりしていることであった。
 四行作文の手法を話す活動に生かすことにより、適切に話すことができるようにさせたいと考えた。方法は、1行目と4行目を意識させることを大切にしようとした。始めとまとめをしっかりさせることである。
 1行目は話題の提起や話題について概要。2行目と3行目は話題を深める。4行目はまとめとして自分の感想である。そうすると、2行と3行目は事実になる。子どもたちが4つの文を意識して話すことができれば目標達成であると位置づけた。4行で話をする方法を最初に指導をした。

3、話す活動を繰り返す
 話す力を育てるには話す活動を繰り返すことである。整っているとかまとまっているとかいう目標を立てる前に、回数を増やすことを授業の留意点にした。
 話す活動を繰り返す学習形態として、2人で話す、グループで話す方法を取り入れた。
 最初の授業は、「物語の面白いところ」を友達と話し合うことであった。「お話を読んで、どこがおもしろかったですか」という言い方をして、2分という短い時間、話をさせた。もちろん、4行で話すことを条件にした。
 続いて、2人で話をしたことをクラスで発表させた。これも、4行である。特に、4行目に自分の気持ちを表す言葉を使うことを意識させた。面白いところや読み方を工夫したいところを話題にして、2人で話す、全体に発表するという活動を繰り返した。
(京都女子大学)