第16回「新しい国語実践」の研究会大阪大会
「新しい国語実践」の研究会大阪大会
蜂 屋 正 雄

 12月26・27日、アウィーナ大阪で開催された第16回「新しい国語実践」の研究会に参加した。1日目の「書くこと」の分科会から学んだこと。

 大阪府の片山先生の実践は、「海でかっとばせ」(光村3年)を元にそれぞれの場面で「自分と比べてどうですか」と、客観的な視点を与えて自分と比べて書きながら、読みを深めていく『感想比べ』。また、並行して、主人公になりきって主観的に書き残し読みを深めていく『なりきり日記』という実践が興味深かった。3年生でもこのような言葉かけで感じたことを書かせれば客観的な視点を持たせることができると感じた。

 北海道の中島先生の実践は、社会科のゴミの学習をまとめていく過程で、「自分たちになにができるか」という問題意識を新聞の「社説」という形式で書き残させるという実践であった。「社説」という、少し大人びた書きぶりを意識させることによって、「学習した感想」から、より客観的な広い視野を持った文章を目指す活動に魅力を感じた。研究協議では、4年生という学年としては、少し難しい課題だったのではという意見もあったが、この学習をするまでの日々の書く活動で自信をつけさせ、少し背伸びをした活動を「やってみよう」とさせる学習展開に関心を持った。

 山梨県の望月先生は「トップ記事を書こう」という合い言葉で、中学生に身の回りの出来事を新聞記事として発信するという活動を実践されていた。生徒が主体的に「伝えたい」と思わせるツールとして、「ワールドカフェ」という形式を用いた交流、「1枚ポートフォリオ」という学習過程を振り返らせる手法などを用いて取り組ませていた。中学校での実践は、小学校で学習するいろいろなエッセンスを網羅するように、丁寧に学習展開が組まれていて実践してみたいことがあり、勉強させていただいた。

 どの提案も、目的を明確に持たせ、モデルを示し、ある程度の字数制限の中で自分の考えをまとめさせるという活動で、魅力的であった。
 その後の指導助言では、それぞれの学年で大切にしたいこと、日常の指導で配慮すべきことなどが示された。例えば「三年生ではもっと時間をかけて読ませたい」「最近は新聞を持ってこられない子もいるので展開を配慮すること」「中学生は日常のトップ記事に注目させる良さを感じさせること」など。大変勉強させていただいた2日間となった。
(草津市立笠縫東小)