第38回国語研究集団合同研究会
提案から学んだこと
藤 井 隆 一

 国語研究集団合同研修会の提案で貴重な学びを得た。

○教材
「世界でいちばんやかましい音」(東京書籍5年)

○授業のポイント
「王子様は、世界でいちばんやか ましい音が聞こえなかったのに 喜んだのはなぜか?」 について、話し合い活動を中心に考え合った。

○学んだこと
 話し合い活動を中心にした授業後、多くの子どもたちが「楽しかった」とノートに書いた。
 今回の実践だけなく、ここ近年、話し合い活動を軸とした問題解決的学習を国語で展開すると、時間数は多少かかるものの、子どもたちの反応は同様である。しかし、何かが大きく欠けていることを感じていた。
 それは、主題のとらえであった。
「物語を書いた著者は、主題を持っている。そして、読者をそこに向かわせるために、文章表現を工夫している。子どもたちは、自然とそこに向かう。それを理性的に読ませるのが教師の役割である。」 ということを教えていただいた。「子どもたちが、それぞれに主題はこうだと読んでいて良い」のではないのである。

 事実、授業では、次のような発言が続いていた。
A 「生まれて初めて」が3回続いたことで驚いたことがあります。…
B ずっとやかましい音しか聞いていなかったのかなと思いました。
C この村のやかましい音は一度も止まったことがないんだなぁと思いました。
 (この後も、2人が続く。)
 この部分で、子どもたちは、王子様の置かれていた環境を自分の経験と照らし合わせながら具体的なイメージを持って読み始めていた。ここで、教師は立ち止まり、もっとイメージを膨らませ全体のものにすれば、多くの子どもたちが言葉と自分の経験をつなげて、この物語を読み深めていたであろう。

 今回の提案では、他に、ノート指導の重要性、「なぜ」をつける発問の特性と限界、有効な話し合い活動にするための言葉等を学びました。懇親会や朝食の時間に惜しげもなく、これらの事について語って下さった先生方に心より感謝いたしております。 
 ありがとうございました。
(栗東市立治田小)