学習の手引きを活用して理解を深める
海 東 貴 利

 最初の説明文単元は、二教材で構成されている。第一教材として「イルカのねむり方」(光村3上)という見開きで全文を見渡せる短い説明文があり、第二教材が「ありの行列」である。
 学習の手引きも構造化されていて、1では、しっかり読むための手引きが示され、2では、言語活動の手順や留意点が示されている。1はこの学習で習得したい「読む力」に直結し、2での学習活動をより豊かにするという学習の流れが示されている。
 この学習の手引きを指導の中で効果的に生かしながら学習を進めていきたいと考えた。

手引き1 くわしく読みましょう。を活用して
 手引きでは、第二教材「ありの行列」の文章構成図が簡単に示されている。第一教材の学習のときに文章の構成をとらえるため、ノートに表を書かせた。第二教材の学習でも同じように、手引きを読んで理解を深める活動を行い、「イルカのねむり方」と同じ文章構成であることを確かめた。
T 「くわしく読みましょう」というところに、図が書いてあり ます。この図を見て何か気づくことはないですか。
C はじめとおわりと中が書いてあります。
C 問いと答えは、はじめとおわりにあります。
C 中は、調べたことと考えたことがまとめて書いてあります。
T そうだね。この図の形をどこかで見たことはありませんか。
C あっ…「イルカのねむり方」でもあった!
T 「イルカのねむり方」の時にもこんな図を書いたね。
C 似ています。
T だから、「ありの行列」でも、問いと答えの文は見つけやすいかもしれませんね。

手引き2 かんそうをまとめましょう。(1)を活用して
 手引きでは、書きたいことの中心となる観点を二つ示し、選択して感想をまとめるようにしている。第一教材の学習では「なるほど」と思ったことや「すごいな」と感動したことを中心に感想をまとめた。第二教材の学習では、さらに、手引きにも書かれている〈かんそうを書くときにつかってみたい言葉や書き方〉も参考にして感想をまとめさせた。
 初めてまとまった科学的な説明文を読み、自分の考えをまとめる学習だったが、第一教材の感想文と比べると語彙も文の量も増え、自分の思いを自分の言葉で書くことができた。手引きに紹介されている感想語彙を意識して使える子もいた。
(高島市立マキノ南小)