検定をきっかけに
北 島 雅 晴
6年生の3学期。基礎知識を身に付けてほしいと考え、社会科検定を始めた。都道府県の位置(漢字で記入する)、県庁所在地の名称、世界の主な国の位置、主な国の首都名といった項目の中から、週に2回テストをするというものである。中学校の先生から、 「小学校のうちに、黒板に書かれたことをさっと書き取ること、都道府県の位置を知っていることはできるようにしておいてほ しい。」 という話を聞いたことがあった。それだけでよいとは言えないが、最低限の事はしておきたいと思う。 社会科だけでは、もったいないので、国語科の検定も実施することにした。 ○日本の月名 二月…きさらぎ、如月 ○作家名(10項目) 枕草子…清少納言 ○部首名(30項目) イ…にんべん ○干支(12項目) うし…丑 漢字で書く といった内容が含まれている。国語の基礎用語は、今まであまり教えていない(子どもに定着していない)という実態がある。日本に昔から伝わる暦などにも興味をもってほしいと考えた。 知識として覚えるだけでは身に付かないと考え、2つの働きかけをした。 (1) 日本の古典を紹介すること。 「枕草子」「徒然草」「今昔物語」の中から、それぞれ数作品選び、読み聞かせをした。作品の紹介とともに、作者の簡単な紹介もした。 「枕草子」の中に、相手がこちらに向かって手をふったので、あいさつを返したら違う人に手をふっていたことが分かった時は恥ずかしい思いをする、といった内容の文章がある。 「今でも、そういうことってあるよな。」 とつぶやく子がいた。「枕草子」を少し身近に感じることができた。 (2) 折りに触れて二十四節気等の紹介をすること。 「昨日は啓蟄といって、冬ごもりしていた虫が、暖かくなってきたのを感じて外に出てくる日です。」 といった話をした。 国語の検定は、合格がかなり難しく、あまり挑戦しようとしない。干支や日本の月名を漢字で正しく書くことができない。その中で、国語の検定に一番に合格したのが、普段の学習ではあまり意欲を見せない貴史君(仮名)だったのが印象に残った。検定という活動を通してやる気を出すことができた。 (草津市立志津小)
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