授業の感想から
森  邦 博

 S小学校4年生で授業をした。後日子どもたちのお手紙が届いた。ありがたい。いくつかを紹介すると、

「先日は国語の漢字についておしえてくださってありがとうございました。私は、『おむすびころりん』の一つ一つの場面を、はんで文章を考え、それを漢字にするのがとっても楽しかったです。これからも漢字を覚えていきたいです。」

「昨日は、国語の勉強を教えて下さってありがとうございました。言葉の大切さや、点(、)と、丸(。)をつけないと文の意味がわからない事が分かりました。これからも、国語の勉強をがんばります。」 「きのうは国語の授業を教えてくれてありがとうございました。また、『うらしま太郎』とかでいろいろ漢字にかえて、漢字を覚えます。」

「きのう、国語の時間、漢字のことを教えてくれてありがとうございました。おむすびころりんのお話で、いっぱい漢字が使われているんだなあと、思いました。わたしもいっぱい漢字を使ってみたいと思いました。」

 授業では、はじめに句読点のない平仮名だけの「おむすころりん」の冒頭の文を音読させた。
「むかしあるところに・・・」
 一見易しく見えるが、音読するとかえって読みにくい。
 そこで、「どうしたら読みやすくなるか?」と問うた。
「点や丸があるとよい。」
「どこにつけると読みやすくなるか?」と再発問して、句読点をつける。すると、確かに読みやすくなったと実感できたようである。音読の声がスムーズである。
「もっとよい文、読みやすくするにはどうしたらよいかな」とさらに問うた。
「漢字で書いたほうが文らしい。」
「では、漢字で書けるところは直してみよう。」

 平仮名だけの最初の文と、漢字交じり、句読点つきの文を比較すると、最初の文とは変わってずいぶんよい文のように見える。意味もよく分かり、音読もしやすい。
「それでは、6場面のお話を、漢字を使って正しい文で書きましょう。」
と学習活動を展開したのである。
 1文字漢字を正しく書けたら10点、読みやすく句読点をつけたらまた10点。そうして6場面の合計点数の目標を300点越えとして、グループで取り組ませた。
 初めに紹介したものはその感想である。
(大津市立田上小)