第15回「新しい国語実践」の研究会群馬大会
学習意欲を高める言語活動の開発
蜂 屋 正 雄

 第15回「新しい国語実践」の研究会群馬大会(12月26・27日)の「書くことの分科会」に参加した。分科会では、3つの提案ともに「作文」であった。

 埼玉県の堀江先生の提案は、1年生でも積み上げればここまでできるのかというもので、最後は、子ども同士で項目を確認しながら評価し合っていた。
 体験したことを「五感を使って書く」ということは、作文の学習ではよくすることである。生活科で学習した「たねとり」の内容をおうちの人に伝えるという作文学習では、はじめから種を見せるのではなく、種を袋の中に入れ、袋ごしに、透かしたり、触ったり、振ったりする中で、目(見る)・手(触る)・耳(聞く)・鼻(嗅ぐ)という体験をさせ、そのことを順序だてて書かせていかれた。「どんな形ですか」「どんな音ですか」「においはありますか」といった教師からの質問から、いろいろな言葉での表現が子どもたちの中から出それを書く活動に取り入れているとともに、「五感を使うということはこういうことだ」、ということを体験を通じて身についていく学習であった。
 他にも、原稿用紙の使い方、会話分のよさや「」(かぎ)の使い方、「〜のような」という表現のよさ、相互評価をされる交流の仕方など、基本的なことを丁寧に積み上げられていた。

 小学校1年生の提案も、ほかの2つの提案も、「意欲」という意味では、「楽しそうだな」「書けそうだな」「こう書けばいいのか」という「入り口」での具体的な支援が提案された。「書いてみよう」という意欲の持てる「入り口」としての工夫とは別に、学習した言葉を使って、子供たち自身が学習を継続したり、発展させたりしていく、「出口」としての意欲付けや取り組みはまだまだこれからの課題であると感じた研究会となった。

 指導助言では、青山学院大学の野口先生の「ワークシートは学習用紙でなければならない、穴埋めの訓練用紙になってはいないですか」。指示待ちを許してしまう学習では、本当の意欲を高める工夫にはならない。ということであろうと思うが、「もっと、子供に任せてしまえる学習を」という言葉が印象的であった。
(草津市立笠縫東小)