場の力を生かす話す聞く
蜂 屋 正 雄

 本校ではエコスクール活動に取り組み、今年で5年目になる。6年生になると「わたしたちにできること、笠縫東小学校子ども環境会議」という学年会議を開き、環境学習のまとめとする。子どもたちは自分たちの意見をまとめ、発表する場を得ることによって、6年間の学習を自分たちの言葉でまとめていく。そして、その課程で「話を聞くこと」「上手に伝えること」を学ぶ。

 4年生までに学区内の葉山川、5年生ではフローティングスクールでのびわ湖学習、外来魚についての学習、6年生では、「生態系のバランス」「川の水で植物性プランクトンを増やす実験」「リンの試薬実験」「下水道で働く方、ヨシを植えておられる方からのビデオ」などの学習をふまえて、子ども自身に何ができるかということを話し合う。

◆場の設定
o草津市環境課、大学の環境の先生、校長先生が自分たちの会議を見に来てくれている。 oクイズでは○か×をみんなの前で表明しなければならない。
o班で話し合った感想や意見をみんなの前で話す。
oクイズや発表した結果が得点になり、対抗戦になっている。

◆答えられる、言いたくなる工夫
@誰でも答えられる、決まった答えはない質問から始める。
 (「自分が思っていたより、川は汚れていた」○か×かなど)
Aやり方に慣れたところで、学習してきた内容を問う。
 (「富栄養化を抑えるには何ができそうですか」など)
B評価し、励ます大人がいる。
 (がんばったり、工夫したりした結果が評価や得点に反映される)

 子どもたちは「いい加減なことは言えない」「しっかり人の意見を聞いていないと、当てられたときにちゃんとした意見が言えないかもしれない」という緊迫感を高める。それだけで「聞く姿勢」が変わってくる。また、話し合う内容は全員が共有していることから、「ちゃんと聞いて、考えれば、言える」「きちんと評価され、拍手を受けることは気持ちがいい」とも感じることができる。

 子どもたちは最後の話し合いで、「自分たちにできることをしっかりとしていくことが大切だと思います」という意見発表に始まり、「自分たちにできることを、みんなに呼びかけることが大切だと思います」「まずは、まわりの川や自然を好きになることが大切で、そのことを、看板を作ったり、お知らせを作ったりしてみんなに呼びかけると良いと思います」といったように、前に出された意見の良いところを使って、どんどんみんなの考えが広がり、まとまっていくのが実感できる会議となった。
(草津市立笠縫東小)