詩を読む(3年)「ゆうひのてがみ」
吉 永 幸 司

 「ゆうひ」という言葉でどんなイメージを描くのだろうと興味をもって指導をした。(1時間扱い)

1.教材
 ゆうひのてがみ
        野呂 昶
ゆうびんやささんが
ゆうひを せおって
さかみちを のぼってくる
まるで きりがみのように
ゆうひを すこしずつ ちぎって
「ゆうびん」
ポストに ほうりこんでいく

ゆうびんやさんが かえったあと
いえいえのまどに
ぱっと ひがともる
 着目させたいのは「ゆうびんやさん・きりがみ・いえいえのまど」である。もちろん、夕日も。

2.目標
 ○2連の特徴をよみとり、情景を読み取る。
 ○詩についての感想を発表したり、意味を見つける。

3.授業の展開
○詩をノートに写し、音読する。
 ○詩についての感想を書く。
 ○感想を発表する。
 ○話し合いを深める。



4.授業展開の意図と結果
 ノートに書く、音読を繰り返す学習を通して詩の様子は大体描けたようである。しかし、それを感想として言葉に表すと次のようになっていく。
C 「きりがみのように」というのが上手です。
C ゆうひのようすが好きです。
C 詩を読んで楽しかった。
 心の中には色々な思いがあるのだろうが言葉にはできないのが実態であった。
 そこで、次のように問いかけてみた。
T 「ゆうひをせおって」とあるけれど、ゆうびんやさんは重たくなかったのかな。
 固い表情が崩れた。いかにも、そのようなことはあり得ないということであった。
C ゆうびんやさんは坂道を上っていくのでなく「来る」と書いてある。
と、少し思いを具体化する発言がでた。「抱く」との違いを比べさせたりした。ゆさぶりをかけるべく次のようにも問いかけた。
T 「ゆうひ」を「あさひ」にかえると詩の言葉はかわるの変わりますか。
 この問いかけは響いた。ほとんどが第2連目はいらないということであった。
 違いを明らかにすると考えを広げるのが3年生の特性であろう。
(京都女子大学)