詩の暗唱大会
箕 浦 健 司

 詩の暗唱大会が行われた。本校は、日頃から詩の暗唱への取り組みを大切にしている。正しい口の開け方や腹式呼吸、発声練習等にも取り組んでいる。各学年で事前に予選会が行われ、それを通過した各学年の代表が出場した。
 審査の基準は、口の開け方や声の大きさ(声量)はもちろん、抑揚の付け方や間の取り方、身振りなど、その詩にあった表現方法を採っているかというところである。

 個人の部が始まった。リズムに乗って、元気いっぱいに詩を詠む低学年。身振りを交えたり、「間」を有効に使ったりして詩を表現する中・高学年。それぞれに良さがある。皆堂々と、自信に溢れた表情で発表していた。終わった後、ステージから降りて席へ戻る子どもたちの表情からは、心地よい満足感が感じ取れた。

 続いて団体の部。1グループの人数は2〜5名。交代で言うところ、一斉に大きな声で言うところなど工夫している。高学年では古典や自作の詩もあった。かわいらしい身振りや、迫力ある大声、工夫を凝らしたアレンジなどに、会場からは大きな拍手の連続。また、童歌等、これまでにはなかった新しい分野への挑戦もあった。

 今年で5年目を迎えるということもあり、子どもたちの暗唱のレベルは高まってきた。口を大きく開け、体育館の後ろまではっきりと聞こえる大きな声。しかし、決して単に大声を出しているというわけではない。抑揚をつけ、聞き手に語りかけるような暗唱に、聞き惚れた1時間であった。

 感心するのは、聞き手の態度である。集中して発表を聴いていた。会場は広い体育館。それでも、体育館の中がざわつくことはない。詩の暗唱への取り組みは、聞き手も育てるということである。

 発表が終わって審査が行われる間に、学年ごとの群読の発表がある。6年生は、「おいかけ」「バックグラウンド用法」「ストップ&リプレイ」といった、群読の技法を紹介し、その技法を使った発表を行った。
「みんなが暗唱を工夫する方法を知ることで、暗唱の幅が広がる。よい発表でした。」
と、学校長からお褒めの言葉をいただいた。

 詩の暗唱に限らず、毎日口の体操や発声練習に取り組んでいる学級は、授業中の発言も声に張りがあり、聞き取りやすい。私の担任する学級でも、毎朝当番による詩の暗唱を続けている。3学期には、第2回大会が予定されている。6年生にとっては最後の大会。「大会は日々の実践の成果を発表する場」という意識で、引き続き指導にあたりたい。
(長浜市立長浜南小)