小集団の話し合いで考えを高め合うこと
海 東 貴 利

 小集団でそれぞれの考えを発表し交流できる機会を作ることで、自分の考えの妥当性を確かめたり、修正したり、新たな考えを生み出したりすることができる。
 『アップとルーズで伝える』(光村4下)の学習でも、小集団で話し合う活動を取り入れた。

 まず、教師が用意したアップとルーズの2枚の写真をよく見て分かることと分からないことを整理する。
 次に、写真を説明する文を2文で書かせた。書くときの条件として、1文目は写真から分かることを大まかに書く。2文目は詳しく写真を見て、写真が伝えたいことを考えて書くこととした。この活動場面でグループで話し合わせ、まとめた文を小黒板に書かせた。

 1つのグループの話し合いの様子を録音してみた。このグループは話し合いの時間が始まると、3人の子どもたちはそれぞれがまず自分のノートに書いてから考えようということにした。
C1 まず、書こう。
C2 で、それをミックスしよう。
C3 なぁ、書けたら一人ずつ言っていこう。
 みんなが書き終えたのを確認し、自然な感じでC3が司会役になりC2を指名する。
C2 にぎやかに祭りをしています。すごい人の多さで、たくさんの人が一体となって力を合わせています。はいC3さん。
C3 みんなが楽しくお祭りをしている様子が分かる。全体の様子が分かる。
C1 何人いるかが分かる。どこでやっているか、または、まわりに建物があるということがわかる。
C1 (C2の文がいいなぁとつぶやく。)たくさんのを入れて…。
C2 たくさんの人がにぎやかに祭りをしていますっていうのは?
C1 (C3に)それ書いて…。(C3が小黒板に書く。)
C2 つぎは…『たくさんの人が力を合わせています。』を最後にして、ここから何か入れよう。
C1 『楽しく』を入れよう。
C1 みんなが…、みんなで…?
C2 (C3に)書いてみて。
C3 たくさんの人が力を合わせています。でいこう。
C1 『たくさんの』が(1文目と)かぶってるな。

 ここで話し合いの終了時間になる。このグループはここまで書いたことを全体で発表することになった。  お互いの考えの良いところを聞き合って、小集団の代表の考えを選んだり、話し合って小集団の考えを練り合ったりすることで思考の場面は少し生まれたと思う。ただ、話し合うときの視点をもう少し明確に与えることができれば、もっと考えを深めることができたのかもしれない。
(高島市立マキノ南小)