「キーワード」とは…
川那部 隆徳
説明文「サクラソウとトラマルハナバチ」(光村5年)の要旨をとらえるにあたり、まず、文章のキーワードを見つけ出した。 「キーワード」とは、辞書的な意味では、@「問題の解決の手掛かりとなることば」 A「内容を理解する上で大事なことば」となる。 以下は、子どもたちに「キーワード」の意味を国語辞典で調べさせた後の話し合い場面である。 T 問題の解決の手掛かりとあるけれど、この説明文で出している問題は、何ですか。 C 「どうして」とか、「でしょう」とあるから、「このままでは、絶滅が心配されます。どうして、こんなことになってしまったのでしょう。」だと思う。 T 簡単に言うとどういうこと? C 「なぜ、サクラソウの絶滅が心配されるようになったのか。」だと思う。 T そうするとこの問題を解決するのに、手掛かりとなる言葉が、キーワードということだね。それから、もう一つの「内容を理解する上で大事な言葉」については、どんなことが理解できれば、このお話が分かったということになるのかな。 C 題に「サクラソウとトラマルハナバチ」とあるから、二つのつながりが大事だと思う。 T 五年生までに勉強した説明文にも似たような題のお話があったね。「○○と□□」というような題が…。 C 「ヤドカリとイソギンチャク」 C 題じゃないけれど、クマノミとイソギンチャクの話もそんな感じのお話だったような気がする。 T そんな感じってどういうことかな。 C クマノミとイソギンチャクが助け合って生きているというような、クマノミとイソギンチャクの関係が大事ってみたいな。 T なるほど、前に読んだ説明文をよく覚えていたね。そうすると、サクラソウとトラマルハナバチの関係をあらわす言葉がキーワードということだね。 C 筆者の言いたいことも大事なことだと思う。 こうして、次のような「キーワード」を見つけ出すことになった。 @サクラソウが絶滅の危機にある理由を見つける手掛かりとなる言葉。 Aサクラソウとトラマルハナバチのつながりを表すための大事な言葉。 B筆者の伝えたいことを表すための大事な言葉。 「キーワード」を「お話の大事な言葉」と漠然ととらえるのではなく、どういう点で大事なのかを明確にしたとき、説明文のキーワードの大切さがきわだった。 (滋賀大学教育学部附属小)
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