▼全校音読の指導をした。時間は20分。指導した教材は「やまなし」(宮沢賢治)の初めの場面。指導の翌朝の対話。

▼覚えている文としてあがったのは、「クラムボンは笑ったよ」「クラムボンはかぷかぷわらったよ」など会話文が多かった。「つぶつぶあわが流れていきます」「二ひきのかにの子どもらが、青白い水の底で話しています」を文として覚えている子もいた。

▼感想は、「きれいな詩だと思いました」「かにの子どもの様子がかわいい」「やまなしが出てこないので題がわからない」などであった。家で本を読んだという子もいた。かなり印象に残っているようであった。クラムボンについては、「かに」「プランクトン」「魚」をイメージしているようであった。「かにが出てくる」「読み方がプランクトンに聞こえた」「英語でクラム」はかにだからなど。

▼この授業について感想を書かせて下さった。次の作文がそれである。「私はこの詩を1人で読んだことがあります。1人で読んでいるときは何となくよくわからないし、つまらないなと思っていました。でも6人で読むと感じが違うなと思いました。目をつぶると川の底にかにがしゃべっているのが見えるからです。人が増えるにしたがってだんだんイメージが広がっていくのです。」 音読の不思議さと力を感じた作文。(吉永幸司)