お礼の手紙を書く
西 村 嘉 人
企業が環境保護活動の一環として取り組んでいる廃棄文書類のリサイクルで作られたトイレットペーパーをたくさん学校に頂戴した。例年、6年生が学校を代表してお礼状を書いているとのこと。せっかく書かせるならこの際全員を対象に「礼状を書く」学習をしようと企んだ。 先ずは先方からの送り状を「読む」学習に取り組んだ。 ──拝啓 時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。さて、ご高承の通り地球温暖化の防止をはじめとする…(以下略)── 子どもたちに、国語辞典を使って全文を読み切り、大体どのようなことが書いてあるかを感じ(読み?)取らせた。 C 結論は、トイレットペーパーを学校に贈ると言うことです。 T どうして? C 銀行で取り組んでいる環境保護の取り組みで、いらない紙を再利用してトイレットペーパーにしているから。 T なぜ、学校にプレゼントしてくださるのかな。 C 小学生にも環境保護の大切さを伝えようとしていると思います。 このような問答を文章を読み終わったあと子どもたちと行った。 その後は手紙の中味作りである。「環境保護の大切さ」を伝えるトイレットペーパーなら、お礼の手紙に「環境保護」を意識した内容を入れるべきだろうと話をして、校内の取り組みを話し合った。 ・アルミ缶のプルトップ集め ・ペットボトルのキャップ回収 などの取り組みを思い出させ、お礼の手紙に学校の取り組みを少しでも 書くことになった。 いよいよ、お礼の手紙を書く本番である。改まった文章を書く経験の殆どない子どもたち。鉛筆を持ったときから緊張している。 初めてお手紙を差し上げます。私は、彦根市立城南小学校6年4組の○○です。 この度は、城南小学校にたくさんのトイレットペーパーを寄贈してくださりありがとうございます。いただいたトイレットペーパーを大事に使っていくとともに、最高学年として下の学年の子たちにリサイクルやエコの大切さを教えていきたいと思います。 私たちの学校でも、牛乳パックやペットボトルのキャップ、プルトップなどを回収して…(以下略) 実際に子どもが書いたお礼状の一部である。企業の代表取締役宛に書いたお礼状は、背伸びする6年生の子どもにピッタリのいい題材かもしれない。 (彦根市立城南小)
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