授業改善の歩み(3)詩「じっと見ていると」
吉 永 幸 司

 前回は「様子を思い浮かべる」のスキルの印象が強かったので、詩の全体を読ませることを大事にした構成を考えた。

1.授業の仕組み
@目標  様子を思い浮かべながら読む
A指導の形
 最初に目標を示し、音読を3回行った。初め全員で読み、次は指名音読。更に全員で読むという方法をとった。
T 詩を読んで様子がよく分かるところに線を引きましょう。 
T 不思議だな、面白いな、詳しく考えてみたいなと思うところを見つけましょう。 
 このような指示を出して、発表の心づもりをさせるために、ひとりで読む時間を作った。指示の内容の理解には個人差があった。すぐにプリントに線を引く子もいたし、鉛筆が動かない子もいた。おそらく、自分で言葉をえらぶことに慣れていないのだろうと思いながら個人指導を続けた。
T 様子がよく分かるところに線を引きましたか。
と、学習の進み方を確認した後、線を引いたところを音読させた。(重ね読み)重なりがあったところは、「流れる雲」「けしごむ」「イチョウの葉」であった。

「なくさずにだいじに使ってね」
「さよなら さよなら また 来年ね」

 この部分をもとにして話し合いを深めようとしたが、感想も知りたかったので自由に発表させた。
C ほしがきがわかりません。
という質問のがでたが、後は発問を待つ雰囲気であったので話題を変えた。
T 様子を思い浮かべることについて考えましょう。詩を読んでいると、色が浮かんで来た人は手を挙げて下さい。
T 画用紙に絵を描いたら、どのような絵になりますか。
と、問いを続けた。色のところでは「雲の色」「黄色」「金色」という発言が続いた。
 さらに「絵を描くとしたら」という問いは、子どもたちに様子を思い浮かべる上で効果的であったように子どもの反応から感じた。

2.授業の改善
○自由に話し合いをさせようとした。しかし、問いと答えに慣れている子どもには難しい活動であった。
○子どもに響く学習活動がある。今回の授業では「絵に描く」であった。話し合いにより雰囲気が高まった段階での活動の創出であった。
(京都女子大学)