授業改善の歩み(2)詩「じっと見ていると」
吉 永 幸 司

1.授業の仕組み
(1) 目標  様子を思い浮かべながら読む
(2) 指導の形
 先ず、「これから読む詩で気をつけてほしい言葉」として、「見る・見つめる・見ている」の違いを指導をする。次に、詩の一連目を板書し、「様子を想像するとはどういうことか」について考えたことを発表させる。

 流れる雲を見ていたら
 雲がいったのよ
 「いなかのおばあちゃんが
 ほしがきをたくさん作っていますよ」


T どのような様子を思い浮かべますか。
C 流れる雲を見ていた。
C いなかのおばあちゃんが「ほしがきをたくさん作っている」と言った。

 いきなり、このような話し合いになってしまった。「様子を思い浮かべる」とはずいぶん離れた話し合いになりそうなので、発問を変えた。

T 「流れる雲」から様子を思い浮かべるということを考えましょう。「雲の大きさと色」を考えましょう。
C 青い空に薄い雲です。白いようなそうでないような色です。
C 大きい雲です。
T それじゃ、周りの様子はどうでしょうか。
C 海です。海の上の空です。
C 山です。青い山が遠くに見えています。向こうの方に山が見えてきました。

 「流れる雲」を話題にして「様子を思い浮かべる」について話し合いを続けた。この段階で、半分の時間が過ぎた。  そこで、プリントを渡した。音読を3回繰り返した。

T 様子を思い浮かべることができるところに線を引きましょう。そして、色とか大きさや形を入れて発表できるようにしましょう。

 その後、授業は、消しごむやイチョウの葉を手がかりにした話し合いへ広がっていった。

2.授業の改善
○「様子を思い浮かべる」を具体的に指導をした成果はあった。しかし、その学習は、この詩で指導をする内容ではない。学習活動のつながりに配慮が必要。
○「見る・見とれる」と「様子」との関わりがなかった。最初に詩の全体を示し、その後、話し合いをし、深めた方が効果があったように思う。
(京都女子大学)