子どもたちの姿に学ぶ
箕 浦 健 司

 4月から、2年生を担任している。初めての低学年。第一教材「ふきのとう」では、子どもたちが恥ずかしがることもなく動作化したり、登場人物になりきって音読したりする姿に感動するなど、新鮮な毎日である。
 朝の会で、スピーチに取り組んでいる。特にテーマは設けていないが、5W1Hを意識させようと、教室に大きな手形を掲示して説明した。親指に「いつ」、人差し指に「どこで」、中指に「だれと」、薬指に「なにを」、小指に「どうした」、手のひらに「思ったこと」と書いたものである。

 子どもたちのスピーチが始まった。「昨日、中央公園で、○○さんとキャッチボールをしました。ストライクがたくさん投げられて、うれしかったです。」すらすらと話す子、指を折りながら、一つ一つ確認して話す子等、様々である。基本的なことで、何とか身につけさせたいと思ったのだが、指を折りながらというのは、子どもたちにも分かりやすかったようである。  現在、スピーチ時に質問の時間は設けていない。1限目に食い込むのを防ぐためである。しかし、突然ある子が質問をした日があった。以下、その日の様子。

A 昨日、○○○さんと、サッカーをしました。シュートは決められなかったけど、いっぱいボールを蹴れたので、楽しかったです。これで終わります。
B はい。質問。
A はい、Bさん。
B どこでサッカーをしましたか。
A ああ、ごめん。西公園です。
C そうや、「どこで」が、ぬけてたで。

   私は、Bさんをほめた。子どもたちも、指を折りながら、友だちの発表を聴いていたのである。気付いている子どもは他にもいたようだったが、挙手したのはBさんだけだったので、そのこともほめた。それ以降、話し手は、ぬけ落ちがないように、また、聴き手は、より注意して聴くようになった。子どもたち同士で高め合う姿がほほえましかった。余裕ができた頃を見計らって、内容についての質問タイムも、設けていきたいと思う。

 6月から、全校挙げての詩の暗唱の取り組みが、本格的にスタートする。詩を一つ覚えたら、家の人や友だち3人に聞いてもらう。そして担任の先生に聞いてもらい、合格したら校長室へ行くことができ、暗唱賞をもらえる。高学年児童は、漢文や短歌、俳句にも挑戦する。子どもたちは、今から楽しみで仕方がない様子。1年生のときは、詩集を何冊も覚えたという子がほとんどである。「先生、聞いてください!」と、たくさんの詩を聞かせに来てくれることに、こちらも今からワクワクしている。
(長浜市立長浜南小)