第21回「新しい国語の授業」研究会から
森  邦 博

 第21回となる「新しい国語の授業」研究会が2月14日(土)に開催された。

 今回の研究協議テーマは「本物の言語力をつける」と設定した。学習指導要領が告示され、この4月から小学校が移行期に入る。国語科では「言語活動例」が「内容の取り扱い」から「内容」に移され「話す・聞く・書く・読む」の指導内容を「言語活動」を通じて確かに身につける指導が求められることとなった。このことが今回のテーマ設定の理由の一つである。

 また今回の改訂では、学習を通じて「習得」したことを「活用」できる力としての学力が問われている。国語科においては「国語科の言語力」を活用力という視点か見直し、授業の改善を図ることが求められるとの思いがある。これがテーマ設定の理由の二つめである。

 これまでも、言語活動を通じて国語の力をつけることは常に国語科の授業を振り返り評価する観点ではあった。「子どもはこの授業を通じてどのような言葉の力が育ったと言えるのか」「どのような点が言葉の使い手として変わったと言えるのか」と授業を反省していた。が、ともすると、「子どもは楽しく活動していました」「もっとやりたいという感想がありました」で満足し、子どもの表面的な活動の姿をなぞって満足するにとどまっていなかったかと反省する。

 子どもたちは国語の学習に楽しく活動に参加した、だからその結果、子ども達にはこんな言葉の力が確かに付いた、そんな授業ができたと言い切りたい。しかし、その見届けは十分であったか、と問い返し、「活用」というものさしで国語科の授業の「本物度」を計ってみよう、と言う提案である。

 村地和代先生(下田小)、池嵜伸繁先生(平田小)には、自らの1年間の国語の教育実践の歩みを語っていただいた。子どもの言語力を育てる戦略をきめ細かく立て、学校生活と国語の授業との関わり、国語科の他の教科領域との関わりにも目を配っての実践は、大いに参考になった。
 廣瀬久忠先生(菩提寺北小)には、教員のリーダーでもある教頭の立場から、より高く幅広い実践の構想の仕方を提案いただけた。
 吉永幸司(京都女子大)先生にはこれからの国語科ではもっとシンプルに(明確に)国語科の授業を見ることをお教えいただいた。

 子どもが言葉の力をつける授業実践を、次回22回研究会では持ち寄り語り合いたいものである。
(大津市立田上小)