文章を正しく並べ替え、文章構成を捉える
海 東 貴 利

 「アップとルーズで伝える」(光 村4上)は、8つの段落と4枚の写真で構成されている。第1、2、4、5段落は写真の説明で、アップとルーズの違いを分かりやすく説明している。第3段落は前の2つの段落をまとめ、問題(問い)を提示している。第6段落はそのまとめ(答え)になっている。文章と写真を対応させながら読みを深めていくことに適した教材である。
 この教材を使って、説明文の「問い」と「答え」をつかみ、具体例に示された写真と文を対応させながら読みを深めたいと考えた。そして、構成を理解し、読み取ったことをもとにして説明的文章を書くという表現活動にも取り組みたいと学習計画を立てた。

 学習の前半で、第3段落と第6段落にある問いの文と答えの文を確かめた。写真と文の対応を考えながら、中心となる語句に注意して内容を読み取っていった。
 学習の後半では、前半の学習を踏まえ、文章構成を捉える学習をした。第4、5段落の文章と問いと答えを書いた文章の短冊をバラバラにして与え、写真と文の対応を考えて並べ替える学習活動を行った。
 学習の第1段階として、子どもたちにバラバラになった1つ1つの文を、アップで撮った写真のことなのか、ルーズで撮った写真のことなのかを分別させた。
 次に、分別した文を順に並べさせた。並べ替える学習の中では、こんなつぶやきが子どもたちから聞こえてきた。
C これは(この1文は)、わかることだから、この文の前でないといけない。
C (文の終わりが)『わかりません』だから、『でも』がある文の後じゃないかな。
C 言い切った文(体言止めの 文)は、『わかります』の文の前にあった方がいいと思うな。

 並べ替えるときに、子どもたちは、「しかし」や「でも」といった接続語に着目していた。接続語がポイントとなって段落の前半と後半の内容が異なることに気づき、段落の前半には写真からわかることが、後半には写真からは分からないことが書かれていることをつかんだ。体言止めの文は、はじめの方が分かりやすいのか、後の方がいいのか、短冊を前にしたり後ろにしたり移動させながら文章の構成を考えた。
 この学習を通して、接続語に着目し、文と文とのつながりについても考えさせることができた。また、子どもたちは2つの段落を並べ替えることで、筆者の表現の仕方で同じ言葉が使われていることにも気づいた。
(高島市立青柳小)