群読の楽しみ「河童と蛙」
高 野 靖 人

るんるん るるんぶ
 るるんぶ るるん
 つんつん つるんぶ
 つるんぶ つるん

河童の皿を月すべり。
じゃぼじゃぼ水をじゃぼつかせ。
かおだけ出して。
踊ってる。

 るんるん るるんぶ
 ・・・・・・・
 草野心平作「河童と蛙」の冒頭部分である。9連からなる比較的長い詩であり、「るんるん るるんぶ」から4行は、4回繰り返されている。

 本校では、昨年度より音読に力を入れており、毎週木曜日の朝には、「全校音読」の時間が設けられている。曜日によっては、朝読書をしたり、朝学習をする10分間の活用であるが、全校どの教室からも音読する声が聞こえている姿は、壮観である。

 さて、朝音読の基本は、学級内での練習・発表・交流であるが、計画的に学年や異学年(低・中・高)との交流も行っている。1学期は、学年内の交流を実施した。2学期については、まだ実施していないが、今月末と来月末に6年生と音読交流を行う予定である。

 音読する詩は、学年で相談をして、1か月ごとに変えている。9月は、夏休み明けということで、威勢よく「バナナのたたき売り」を音読した。そして、10月は、冒頭で紹介した「河童と蛙」を選んだ。6年生との交流を意識し、群読ができる詩を探したのである。擬音語、擬態語、独特の言葉や雰囲気、繰り返し、リズム等、子どもたちがこれまであまり出会ってたことのない草野心平の詩の世界は、声を出して読むことに適している。しばらくは、毎日家庭で個人練習をし、自然と暗できる状態にした。
 そして、班(5人から6人)ごとに群読の計画を立てる。詩の子どもなりの解釈をベースに、役割読みや重ね読み、音量や速さ、リズム等を相談し、練習する。

 先日は、国語の時間に学級での中間発表を行った。くじで決めた順番に発表し、ビデオ撮影も行った。聞き手は、記録表に「よかったところ」と「アドバイス」を書き、数名が発表する。後半には、早速ビデオを再生し、今度は発表した班が感想を述べた。
 どの班も全員が暗唱した状態で発表したが、リズムや重ね方などに違いがあって、興味深く、子どもたちにとっても刺激となった。来週は、6年生の同じ学級(1組同士、2組同士等)で交流する。子どもも私も楽しみにしている。
(大津市立仰木の里東小)