手書きの学習プリントで
北 島 雅 晴

 私は現在教務をしているため、学級をもっていない。4学級の音楽と1学級の国語(作文と書写)を担当している。各学期のはじめには、どのような学習をするのかを書いた学習の手引きを作り、大体の予定を子どもたちに伝えるようにしている。
「学習のプリントや手引きをすべて手書きのものにしてみよう。」
 2学期から(夏休みの準備期間から)は、ワープロを使わない手作りプリントで臨もうと思い立った。それには、2つの理由がある。

 数年前から、本校も含めた近隣の学校で、通信票の所見を手書きからワープロに変えようという動きがあった。下書きをして、それをもう一度清書するというのは大変な労力なので、事務仕事を軽減するために、ワープロで打ったものをシールにして通信票に貼り付けるという案である。市内の教務が集まった会合に行くと、そのことが話題となり、所見を手書きで書いている学校は、取り組みが遅れているような意見が出された。
 私の個人的な意見としては、通信票の所見は、手書きの方がよいと思っている。先生がその子のために、心をこめて書くという姿勢が伝えられると思うからである。手紙をもらった時もそうだが、手書きの部分があると、「私」のために書いてくれたんだという温かさが伝わってくる。これと同じ発想である。
 また、多くの先生の所見を読んでいると、全く同じ文章が出 てくる。「コピー」「貼り付け」というワープロの便利な機能を使うとこうなってしまう。手書きの方がよいという考え方は、少数の古い考え方かもしれないので、みんなに働きかけて主張しようとは思わない。主張しても認められるとも思っていない。

 2つ目。本校には、手書きの学級通信を出している先生がいるのだが、私はその学級通信を読むことを楽しみにしている。先生からのメッセージ、子どもの作文とそれに対する先生からのコメント等先生の温かさを感じることができる。

 そんな2つの出来事を考えながら、「原点に返って、もう一度手書きの教材、プリントを作ってみよう」と決めた。私は、字が上手ではないし、絵を描くこともにがてである。手書きの温かさにこだわり、その学級で一度きりしか使えないというねうちを大事にして、2学期は手書き教材・学習プリントを作ってみようと思う。
(草津市立志津小)